石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。【2012年度版・前篇】
2012年の石清水八幡宮・石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
勅祭・石清水祭。
京都の裏鬼門に鎮座する石清水八幡宮に於いて、9月に行われる例大祭です。
二所宗廟の一つとして朝廷から崇敬された経緯ゆえ、現在も旧儀に則って勅使が派遣され、
知名度は今イチながら、賀茂祭や春日祭と共に 「三勅祭」 と呼ばれる、ロイヤルな祭であります。
以前も書きましたが、私はこの祭の舞台となる頓宮のすぐ近所で、生まれ育ちました。
しかし、貧乏な流れ者の子だったためか、石清水祭についてほとんど何も知らないままでした。
その欠落を埋めるべく、2011年は5000円のロイヤルな参列料を払って祭に参列し、
朝の2時からオール&ノンストップで続く祭儀を、食うものも食わず&寝るものも寝ずに見続け、
その全てを全5回の超冗長な記事にまとめたんですが、しかし、勅祭はやはり、甘くない。
倒れかけながら全てを見尽くしたつもりでも、実際にはいくつか見落としがありました。
まずは、石清水祭独特のものと言われる、御花神饌。そして、放生会終了後の、舞楽奉納。
どちらも、前回見ようと思えば見れたものです。でも、見なかった。だって、死ぬほど眠かったから。
腹も死ぬほど減ってた。1秒でも早く、帰りたかった。なので、スルーしました。見落としです。
御花神饌はともかく、舞楽はさほど興味が無いんですが、でも見落としは見落としです。
というわけで、2012年度はこれらのフォローに終始。で、その他は思いっきり、適当。
参列料を払う金もないので、タダ見できるところばかりを、ひたすらダラダラウロウロしています。
なので、祭儀の詳細の方は前年の記事を御覧いただくとして、今回は空気のようなもの、
一般的な神輿大騒ぎな祭とは少し違う、石清水祭の雰囲気みたいなものを、
適当な写真&文から感じとってもらえると、幸いです。
まず14日の夕方、外殿渡御祭を一応、見に行きます。
外殿渡御祭とは、山上にある本殿内陣から神様をちょっとだけ外側へ出す儀式。多分。
雨が降ってたので、金が惜しいですが、ケーブル利用。ケーブル、今年もオールナイト運転です。
車内は、学徒動員された国学院の学生か何かで、満員。死ぬほど暑く、そして汗臭い。
外殿渡御祭といっても、儀式は完全クローズドで、一般人は何も見れません。
前年も何も見れないことを確認しただけで終わりましたが、今年もやはり何も見れませんでした。
18時過ぎに傘差した神職たちが本殿へ入り、音もないまま、45分頃に出てきたのを、見守るのみ。
で、下山。帰りも、ケーブル。一ヶ月前の大雨で、石清水社への石段道は閉鎖されてました。
で、下院周辺の縁日。例年と同じく、完全なる子供天国です。
土地柄の割に、ややこしい年頃の子が案外少ないのが、石清水祭の縁日の特徴でしょうか。
雨は、止みました。石清水祭では、神幸の前に必ず雨が降り、直前に必ず止むと言われてます。
というわけで、充実した屋台は、実に繁盛。したたかに浮きを感じ、夜に備えてとっとと、退散。
家に帰り、軽く寝たのちに改めてやってきた、25時の真っ暗な八幡市駅前。
ケーブル駅に向かって歩く神人の姿、あり。地元で、先祖代々祭に奉仕している人たちです。
宮司・田中恆清の著書 『神道のちから』 では、「どこからともなく現れる」 と表現されてた、神人。
本当に 「どこからともなく」 現れます。で、駅に近づくほど、「どこからともなく」 は増えます。
乗ってるのはほとんど神人という25:20の便に乗車して、山上へ。
車内で神人たちが話すのは、例年通り、とことん日常の話のみ。農業の話とか、多し。
あ、ケーブル、オールナイト営業とはいえ、この時間以降の便は少ないです。2時台とか、全滅。
山上駅では、お手伝いの帰りというおばちゃんと、便がないという駅員が、揉めてました。
結局歩いて降りるため、徒歩参道へ向かうおばちゃんたちの後ろについて、本殿へ。
本殿前、前年より人、多し。何故か、外人のグループが多かったり。金曜だからでしょうか。
賑わうのは結構ですが、でも何かウザいな。今年は楽に観ると決めてるので、混雑は避けたいな。
というわけで、神幸の儀見学をパス。またもやおばちゃんの後ろについて、いきなり下山です。
表参道を歩いて下山してるの図。御覧の通りの真っ暗であります。
降り始めた時は電灯が点いてたんですが、祭儀が始まる2時頃、神的考慮で全て消えました。
「いや、真ん中で何か光ってるだろ」 と思われるかも知れませんが、あれは神人が持ってる提灯。
もう開始時刻ですが、山を登る神人、多し。真っ暗の中ですれ違うと、風情よりも恐怖が強め。
山麓に着き、しばしウロウロしてから、相槌神社近くで行列を待機。
身内目当てのおばちゃん達が絹屋殿へ行き、その絹屋殿から松明の匂いがして来た3時半頃、
七曲りの石段を降りてくる御前神人の提灯、そして後ろに続く行列が、暗闇の中から現れました。
行列と一緒に山上から降りて来た見物人もこの辺で立ち止まり、数人で行列を出迎えます。
一基目の鳳輦を低頭して見送ってから、追いかけるように絹屋殿へ。
向かう途中、絹屋殿の方で雅楽が鳴り始めました。真夜中の門前町に、雅な音が響き渡ります。
絹屋殿本体は例年通りですが、頼朝松の参列者用拝観席は、なし。ロープでエリアを分けるのみ。
残念。近くに住んでた子供の頃は、あの拝観席が組まれると祭りな気分になったもんですが。
やはり金+土曜日に当たったためか、山上と同じくタダ見客は、多め。
が、客のテイストそのものは例年と変わらず。好き者とヤバ目な奴が妙に多いテイストです。
ほとんど何も見えないまま、神楽座による里神楽の奉納と勅使による鳳輦出迎えは、無事に終了。
御鳳輦は頓宮へ安座し、祭儀はこれより石清水祭のコアとも言える奉幣の儀へ入ります。
でも、私は帰るのよね。何故帰るかといえば、眠いからなのよね。
朝の4~5時って、知ってる人は知ってるかも知れないけど、死ぬほど眠い時間なのよね。
おまけに儀礼の内容は、椅子に座って見ても大抵の人が 「落ちる」 ような、ロイヤル・ハードコア。
頓宮南門からチラっと覗くようなタダ見を続けると、心も体も絶対、持ちません。帰ろ、帰ろ。
で、ぐっすりと寝た翌朝、また改めてやって来た、朝10時の下院周辺。
本当は、8時からの放生会も改めて見たかったんですけどね。でも、完全に寝過ごし。
一つ目の見落とし宿題である舞楽奉納は見過ごすまいと、開始時刻の10時にやって来ました。
土曜日ゆえか、露店は既にセッティング中。頓宮からは、奉納開始を告げる太鼓の音。
舞楽奉納が行われるのは、もちろん神が着座されてる頓宮の前です。
舞台のずっと前に賽銭箱が置かれ、その先は近接NG。なので、回廊の辺から見学します。
回廊の東側では、セッティングしてる別の舞人と楽人のブース、あり。西側では、何やら直会中。
舞は、2人の舞人が、それぞれ2曲ずつ奉納。それぞれの曲名や、曲の内容は、知らん。
左舞、奉納中。
左舞、奉納中。
左舞、奉納中。
右舞、奉納中。
右舞、奉納中。
雅なる舞は、トータル30分くらいで終了。
よく知りませんが、実に、舞でございました。宿題がひとつ完了し、感無量でございました。
20人ほどいた見物客のうちは、老人カメ6割+地元風3割+コアな人1割という感じでしょうか。
あ、奥の方、御簾の前に並んでる台が、二つ目の見落とし宿題である、御花神饌です。
舞楽奉納終了後、その御花神饌が舞台へ並べられ始めました。
神事ではありません。これから始まるのは、神饌作りを手伝った子供向けのセレモニーです。
寛仁親王殿下の第一女子・彬子女王が発起人をつとめ、日本文化の再生を目指す団体、心游舎。
そのプロジェクトとして一般子弟参加の御花神饌作りが行われ、セレモニーが行われる、と。
神職さんによる子供たちへの石清水レクチャーなどが行われる横で、
極めて造花だなあなどと思いながら、御花神饌を超至近距離で眺めまくるの図。
御花神饌は、全部で12台。三座の祭神に四季の花を捧げるためだそうですが、詳細は知らん。
写真は、頓宮では東側に置かれる6台。手前から、桜、杜若、紅葉、松、牡丹、橘。
そして、西側の6台。同じく手前から、南天、椿、水仙、雪持竹、梅、菊。
フジやらTBSやら妙に多いマスコミを避けながら、またも超至近距離で眺めること、しばし。
すると、マスコミ連中に混じって、明らかに護衛という感じの男たちが、周りを取り囲み始めました。
何だろうと思ってると、心游舎の代表・彬子女王殿下がいらっしゃいました。以下、後篇。
石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。【2012年度版・後篇】 へ続く
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。【2012年度版・前篇】
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。【2012年度版・後篇】
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 【1】 イントロダクション
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 【2】 神幸の儀-絹屋殿の儀
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 【3】 奉幣の儀
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 【4】 放生会-法華三昧
石清水八幡宮の石清水祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 【5】 還幸の儀
勅祭 石清水祭
毎年9月15日 2:00~20:00 開催
石清水八幡宮
京都府八幡市八幡高坊30
通常拝観 だいたい6:00~18:00
山上本殿
京阪電車八幡市駅下車 男山ケーブル乗り換え
男山山上駅下車 徒歩約5分
ひたすら階段の場合は、徒歩約20分
山麓頓宮
京阪電車八幡市駅下車 徒歩約5分
石清水八幡宮 – 公式
勅祭 石清水祭 – 石清水八幡宮
石清水祭次第 – 石清水八幡宮
石清水八幡宮 – wikipedia