夏越祓の茅の輪をまたまたまたまたくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。
夏越祓の茅の輪をまたまたまたまたくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。
「夏越祓」 とは、読んで字の如く、本来は夏を越す際に行う御祓いのこと。
新暦が導入された現在なら、7月末~8月中旬あたりが元々のタイミングということになります。
8月初頭に下鴨神社で行われる矢取神社は、裸男たちによる矢の奪い合いに目が行きがちですが、
楼門にしっかり茅の輪が用意される通り、正しいタイミングで行われる夏越神事なわけですね。
とはいえ、現代の暦で生きる現代人の為の現代の社が、新暦にて神事を行うのもまた、尤もな話。
夏越祓も例外ではなく、大抵の神社に於いて夏越神事の類は、新暦6月末日に行われてます。
なので、 「夏越祓の茅の輪を、くぐってくぐってくぐりまくりたい」 などと阿呆なことをやらかすのなら、
多くの神社で大祓の神事が行われ、茅の輪が用意される6月末日に出かけるしかありません。
で、6月末日に出かけた場合、言うまでもなくこの時期は梅雨シーズンの真っ只中である為、
「水が無い月」 という旧月名が信じられないような勢いで雨に降られるのは、ほぼ間違いありません。
というわけで、当サイトの6月恒例行事である茅の輪くぐりまくり、2015年度は雨に降られました。
冒頭は持つかと思いましたが、途中から、降られました。それはもう見事に、降られました。
あらぬ快楽で悶え狂う独男的肉体&無力感と万能感の間で腐り続ける独男的精神を祓うべく、
スピリチュアル・デトックス or 存在の膿の大棚ざらえとして続けてきた、夏越祓の茅の輪くぐりまくり。
2011年以降、毎年徘徊し続けてるわけですが、しかし、雨の直撃を受けたことはほぼ、なし。
「これこそ善行に励む私に対して神が授けた僥倖」 と、天に感謝することしきりだったんですが、
善行に励み過ぎる欲深さが嫌われたか、またはやはり独男であること自体があくまでも問題なのか、
あるいは今回徘徊したのが 「猛霊」 にして水神たる松尾神の影響下にあるエリアだった為か、
とにかく2015年の茅の輪くぐりまくりは、雨でずぶ濡れになりながら歩き続けることとなったのです。
そう、今回茅の輪を探し求めたのは、松尾大社・松尾祭と縁深き京都市南西エリアが、メイン。
JR桂川駅から出発して東北東へ進み、最終的には京阪清水五条駅へ到達する流れとなってます。
雨の中、どこまで歩けるか。計画を担保する正気と行動を担保する狂気を、どこまで保てるか。
例年に増して過酷かつ無意味な徘徊、私の疲労と徒労を共有して下さい。
というわけで13時過ぎ、京都駅から5分ほど西のJR桂川駅から、茅の輪めぐり、出発です。
この駅から出発したのは、祇園祭に久世駒形稚児を出す綾戸國中神社へ行ってみたくなったから。
綾戸國中神社、蔵王堂へ久世六斎を観に行った際も寄りましたが、その際と同ルートで向かいます。
今にも雨が降りそうな中、郊外感溢れる道を東進すること、しばし。水無月買えそうな店、あるかな。
で、到着した、綾戸國中神社。 「綾戸」 と 「國中」 が合祀された神社なので、綾戸國中神社。
茅の輪は、なし。 「綾戸」 と 「國中」 両方の看板と鈴がある本殿にて、お祈りだけさせて頂きます。
境内には、久世駒形稚児関連の張り紙と共に、 「大祓式」 の張り紙もあり。神事は、あるようですね。
どんな神事かちょっと気になりますが、15時まで待つのも何なので、退社。次へ向かいましょうか。
巨大トラス橋である久世大橋で、水が濃い口な存在感を放つ桂川を渡り、どんどんと東へ。
渡った先、巨大な交差点の近くには、松尾祭で榊御面の男面を担う石原松尾神社があるんですよ。
寄ろうかと思いましたが、交差点が何かしんどくなってスルーしてしまい、そのまま北上し、吉祥院へ。
でかい車がバンバカ通るけど運転は案外丁寧とか思いながら、土地勘がない道を歩くこと、しばし。
で、土地勘がなくてウロウロ彷徨った挙句、1時間以上歩いてやっと着いた、吉祥院天満宮。
茅の輪、ありました。左奥の本殿前、綺麗なスタンドアローンの茅の輪があるのが見えるでしょうか。
御覧の看板と同内容の張り紙が沢山出てたので、あるのは正直判ってましたが、それでも感動です。
この辺は、菅原道真の生誕地。この社の祭神も無論、道真公。本殿前にいるキティじゃないですよ。
だから、キティじゃないですよって。そんなことより、茅の輪ですよ、茅の輪。くぐるんですよ。
スタンドアローン式の茅の輪、メビウス式にてくぐらせてもらいます。ちとせのいのちのぶというなり。
25日から30日まで出る為か何なのか、茅の輪の混雑は特にありません。ちょくちょく人が来てました。
賽銭箱の横では、ミニ茅の輪を授与中。キティお守り (実在) と一緒にゲットするのもいいですね。
吉祥院天満宮を退社してからは、新幹線高架まで北上、松尾絡みらしき小社を回ります。
さっき、松尾祭で榊御面の男面を担うという石原松尾神社をスルーしたのが心残りになってるので、
代わりじゃないですが、女面の稚児を交代で出すという中河原・三ノ宮・新田の辺りを、回ってみます。
で、まずは吉祥院三ノ宮町の、三ノ宮神社。松尾・石清水・春日を祀る社ですが、茅の輪は、なし。
次は、下校タイムの児童に混ざり不審者モード全開で、少し南西にある新田の松尾神社へ。
「新田町会館」 の札もあるこちらは、もうちょっと人の手が入っている感じですが、茅の輪は、なし。
続いて行くのは、JR北側・中河原の松尾神社。天照皇大神宮の表記もある社です。茅の輪は、なし。
中河原では、かつてあった松尾神社が廃絶したそうですが、この社は何か関係あるんでしょうか。
今度はJR南側へ戻り、少し東にあるワコール本社の和合神社を、外から拝みます。
和合神社、下着の神ではなく、この地に鎮座してた龍神を改名して祀ってるとか。茅の輪は、なし。
この辺、ワコールやGSなど工場がやたら多いですが、それはつまり、元は農村地帯だったということ。
歩いてると、時折 「農」 を感じる光景にも出会ったりします。というか、雨、かなり降ってきましたね。
「農」 を感じる空き地に咲く花が、本降りになり始めた雨に濡れてたりして、良い感じです。
が、その花を撮る様を、下校中の中学生から不審者を見る目で見られる私は、良くない感じです。
徘徊、止めようかな。一瞬そう思いましたが、くぐった茅の輪はまだ、ひとつ。まだまだ、頑張りますよ。
で、東進を続けて着いた、道祖神社。松尾祭では神饌が献じられる小社ですが、茅の輪は、なし。
松尾祭ゆかりの道祖神社から、松尾祭の舞台のひとつ・西寺公園の鎌達稲荷神社へ。
土御門家の鎮守社という社です。茅の輪は、なし。お参りしたら、寝てた猫が起きました。ごめん。
「西寺が駄目なら、東寺」 と思って、次は東寺北側の六孫王神社へ行きましたが、茅の輪は、なし。
この社名物の本殿+新幹線の2ショットでも撮るかと思ったら、新幹線も全然、来ません。何故よ。
後で知りましたが、この日、新幹線で車内焼身自殺があったそうですよ。知らんがなですよ。
雨足も強まり、徒労感が止まりませんが、次です。そういえば、六孫王神社は源氏の発祥地でした。
「源氏が駄目なら、平氏」 と思い、平清盛が建てた西八条殿跡である若一神社へ向かうことにします。
御前通まで一旦西進し、自転車とぶつかりそうになりながらJRの下を歩道で抜け、西大路八条へ。
で、市電&西大路通道路を怨霊パワーで捻じ曲げた楠の先にある、若一神社へ到着。
茅の輪、ありました。鳥居に固定されてるタイプですが、鳥居の横には若干の空きスペースもあり。
というわけで本日2本目の茅の輪、メビウスくぐりで行かせて頂きます。ちとせのいのちのぶというなり。
16時から神事をやってたそうですが、間に合わず。輪の横で、清盛像から 「遅い」 と睨まれました。
睨みを効かせる清盛像の前には、雨でズブ濡れとなった大祓解説の張り紙付き床机、あり。
若一神社、開運出世の神として知られます。清盛も開運出世を祈り、太政大臣に任ぜられたとか。
なので私も本殿をお参りする際は、雨ストップ+今日の荒行が上手く遂行できるよう、念入りに祈願。
効くはずです。土御門家に源氏に清盛と、霊気高めのスポットで続けて祈ったので、効くはずです。
が、霊気高めなスポットをもう一発拝んでおこうかと思い、お次は梅小路にある稲住神社へ。
路地の奥にある小社ながら、祭神はかの安倍晴明。私は松尾祭追尾の際に、偶然出会いました。
風呂屋の敷地みたいな場所で雰囲気あり過ぎですが、意外と抜け道的に人通りは多く、そこも妙味。
茅の輪はまあ、なし。思いっきり 「魔王尊」 と書かれた祠に、雨が止むのをしっかり祈願するのみ。
稲住神社を出て御前通を北上、今度は松尾大社・西七条御旅所へ寄るも、茅の輪は、なし。
御前通、松尾祭で重要なルートとなる為、この御旅所の 「御前」 通と思いそうですが、さにあらず。
この道は、北野天満宮の 「御前」 通。なので、天神にも挨拶の要ありと、近くの綱敷行衛天満宮へ。
道真が最初に託宣した多治比文子の旧居という社。松尾との縁も深い社ですが、茅の輪は、なし。
さらに七条通を東進し、中央市場近くの松尾大社・朱雀御旅所へ寄るも、茅の輪は、なし。
ジャズ喫茶ナスのミンチカツ定食や、市場向かいで妙に流行ってる居酒屋に後ろ髪を引かれつつ、
さらにさらに七条通を東進し、松尾圏と稲荷圏の境界線たる市場東横の千本通を北上して、島原へ。
島原の遊里で信仰を集め、良縁の霊験もあらたかという島原住吉神社へ着くも、茅の輪は、なし。
今までの祈願が効いてないのか、または逆に神の怒りに触れたのか、雨、全く止む気配なし。
茅の輪に遭遇できないのも精神的に辛いですが、全身ズブ濡れ状態は徒労を単純に増幅します。
市場の丸い奴と擦れ違いつつ、重い足どりで北上&東進を続け、やって来たのは中堂寺の福神社。
壬生川通沿いの小じんまりした社ながら、祭では市場内に神輿が入るとか。で、茅の輪は、なし。
日が暮れ始めて辺りが暗くなる中、どんどん東進して、五条烏丸近くの尚徳諏訪神社へ。
後に島原へ移転した遊里が、江戸初期の一時期だけ置かれてたエリアの社。で、茅の輪は、なし。
参ったな。今年は茅の輪、まだ2本しかくぐってないな。これでは全然 「くぐりまくり」 とは言えないな。
そんな狂った焦燥に駆られつつ、またも東進。夜闇の中で光る芋焼酎の誘惑もかわしつつ、東進。
で、やってきた、文子天満宮。 「文子」 の読みは、 「ふみこ」 に非ず。 「ぶんこ」 でも非ず。
さっき寄った綱敷行衛天満宮はアヤコの旧居跡でしたが、こちらはそのアヤコ自体も祀る天満宮。
文子は道真を最初に祀った人物とされている為、この社も 「天神信仰発祥の神社」 と言われるとか。
茅の輪、ありました。よかった。というか、助かった。看板に紅白幕も出て、雰囲気は中々、賑やか。
茅の輪は、スタンドアローン型が石鳥居に近接して置かれてるという、珍しいパターン。
横に空きがなく、メビウス式は無理ですが、くぐらせてもらいます。ちとせのいのちのぶというなり。
右端にチラリと映ってるように、境内には床机も出て、神事の準備中。で、近所のお年寄りが集合中。
水無月の接待もあるらしいですが、図々しさがスパークしそうなので、お参りをしたらすぐに、退社。
とかやってる内に、狂った焦燥より足腰の単純披露が前景化。もう、無理。帰る。京阪で帰る。
と、打ち止めを決意したものの、せめてもう1本、と祈るような気持ちで、すぐ近くの市比賣神社へ。
先程徘徊した市場の遥か前身たる東市&西市で、守護神として創建された 「市」 の神・市比賣神社。
茅の輪、ありました。女人守護でも名高い社ながら、やたら近代的で男好みな建物の中、勇姿あり。
こちらの茅の輪は、スタンドアローンの様に見えて、実は吊るし型。ただし、横はガラ空き。
なので、今期ラストのメビウスくぐり、ゆったりくぐらせて頂きます。ちとせのいのちのぶというなり。
「市」 の神・市比賣神社が、女性から厄除けの信仰を集める理由は、ここの祭神が全て女神だから。
この地へ移転した近代以降は、近くの七条新地 = 五条楽園との絡みもあるかも知れませんけど。
市比賣神社、夏越の日は近くの高瀬川で人形流しも斎行。京阪五条駅へ行く前に、寄るか。
と思い、E-fishへ向かう中国人家族が大声で騒ぐ横を抜け五条楽園入口へ向かうと、既に終了済。
帰ろう、帰ろう、もう帰ろう。そう思い駅へ直行しましたが、途中、水無月が未買なのを思い出しました。
五条駅の東に五建ういろがあるけど、開いてないだろ。とか思いながら行ってみると、開いてました。
夏越で延長営業してるのか、単に通常通りなのか、とにかく20時直前でも買えた、水無月。
抹茶売り切れの為、小豆・黒砂糖・栗の中から小豆と黒砂糖を購入。価格は、1個170円ちょっと。
帰ってから着替え、じっとりとズブ濡れの服を眺めながら、レアな歯応えな水無月を食うこと、しばし。
こんなに雨が降るのに 「水無月」 にする新暦は、やっぱりおかしいと思いながら食うこと、しばし。
客層については、どこもほとんど人がいないというか、
いる場合もせいぜい地元の人が数人いる程度なので、まあ、省略。
歩いていて、特にアウェー感を感じることもありませんが、特に面白いわけでもなし。
この記事を参考にして同様の行程を歩く人がいるとは思えませんが、
歩いた後で 「とことん無駄に疲れたぞ」 と怒られても、私は一切関知しません。
そんな夏越祓の茅の輪くぐりまくり。
好きな人とくぐれば、よりちとせのいのちのぶというなりなんでしょう。
でも、ひとりでくぐっても、ちとせのいのちのぶというなりです。
夏越祓の茅の輪をくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。 (2011 前編)
夏越祓の茅の輪をくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。 (2011 後編)
夏越祓の茅の輪をまたくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。 (2012)
夏越祓の茅の輪をまたまたくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。 (2013)
夏越祓の茅の輪をまたまたまたくぐりまくりました。もちろん、ひとりで。 (2014)
【茅の輪のあった神社のみ】
吉祥院天満宮
京都市南区吉祥院政所町3
参拝昼夜自由
京都市バス 吉祥院天満宮前下車 徒歩4分
JR西大路駅下車 徒歩15分
吉祥院天満宮 – 京都十六社朱印めぐり
吉祥院天満宮 – Wikipedia
若一神社
京都市下京区七条御所ノ内本町98
拝観終日自由
京都市バス 西大路八条下車 徒歩約1分
JR京都線 西大路駅下車 徒歩約5分
若一神社 – 京都観光Navi
文子天満宮 京都市下京区間之町通り花屋町下る天神町400 拝観多分自由 市比賣神社 京都市バス 河原町五条下車 徒歩約3分 女人守護・市場守護のいちひめ神社 – 公式 |