随心院の秋期夜間特別拝観へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
随心院の秋期夜間特別拝観へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
門跡寺院が好きです。より細かく言うと、小ぢんまりとした門跡寺院が好きです。
具体的な寺名を挙げるなら、曼殊院や霊鑑寺、そして今回訪れた随心院というところでしょうか。
江戸前期テイストを感じさせる伽藍が、狭めの境内にギュッと詰まって構成されてる、あの感じ。
直線&直角のインパクトがバキバキな配置ながらも、野郎丸出しな無骨さは全く感じない、あの感じ。
そして何より、エレガントな佇まいでありながら女子供が喜ぶユルさは断じて排除してる、あの感じ。
男好みの伽藍だと感じます。より細かく言うと、ある種の傾向を持つ男好みの伽藍だと感じます。
「美」 しか取柄が無くなった者たちが、制度上でも明白に 「美」 しか取柄が無くなった丁度その頃に、
凡俗には想像も出来ないような想いから作り上げたのであろう、小ぢんまりとした 「美」 の箱庭。
と、こんな風に、やんごとなき方々のやんごとなき心模様をとことん勝手に妄想したりしながら、
これら門跡に漂う独特の 「圧」 みたいなもの、ある種の傾向の 「男」 な感じを、堪能してるわけです。
よくよく考えてみると、というか考えるまでもなく、随心院は小野小町ゆかりの寺として有名であり、
春先になれば 「女子供」 以外の何物でもない可愛い女子たちが踊る 『はねず踊り』 も行われ、
受付では 「恋みくじ」 や 「小町香」なんてのも取り扱ってる、極めて女子力高めな寺ではあります。
また、有名な梅苑があるくらい境内もなかなかに広く、メイン建築たる本堂も桃山期のものだったりと、
「狭い」 「江戸前期」 さえ当てはまらなかったりしますが、でも、男好みの印象は変わりません。
本堂と同じかそれ以上に、本堂をとり囲む伽藍が良いんですよね。公家より寄進された、伽藍が。
多くの門跡が入山した九条・二条両宮家の寄進により、江戸初期に再興された書院・玄関・能の間。
ギュッと詰まってて、直線&直角バキバキで、エレガント。そして、明らかに 「圧」 もたっぷりある。
たまりません。何か、書けば書くほど変態じみて来るような気がして色々不安ですが、たまりません。
そんなたまらん随心院、実は紅葉も名物で、秋ともなればライトアップの夜間特別拝観も実施。
紅葉の美しさはもちろんですが、男好みな伽藍の夜の姿を観れるのもまた、至福だったりします。
というわけで醍醐へ出かけ、紅葉と共に闇と 「圧」 も、一緒に堪能して来ました。
随心院の最寄駅は、市営地下鉄・小野駅。市の中心部からだと、大体20分程でしょうか。
駅の周辺は、外環の開通によって開発が進んだ感じの、何ともロードサイド的な景観を呈しまくり。
ただ、一方では道が妙に狭苦しく、開発の急さ&雑さも感じさせる辺り、何か凄く醍醐という感じです。
駅を出て、 「はねず踊りと何か関係あるのかな」 とか思いながらダンス看板などを横目に、東へ。
部活帰りの子らと擦れ違いながら奈良街道との交差点に着くと、随心院駐車場の看板あり。
随心院は、ここを曲がった南側。駅に着くまでは遠いですが、駅からは割と近い随心院であります。
で、山門の前まで来ると、かつて威容を誇ってた古民家系の蕎麦屋が完全消滅&更地化してました。
以前、TVか何かで 「2億で売る」 とか言ってた記憶があるんですが。勿体ないです。諸行無常です。
それはともかく、随心院であります。ライトアップの看板を掲げた、随心院の山門であります。
仁海僧正が開基である牛皮山曼荼羅寺から始まり、1229年には後堀河天皇が門跡の宣旨を下賜、
応仁の乱で焼けるも、江戸期には先述の九条・二条家による寄進で再興された門跡寺院であります。
立派な寺なのであります。なので、 「午後18時」 も誤記ではなく、きっと何かの問いなのであります。
で、 「午後18時」 の答えを考えながら参道を進むと、門跡塀と入口であります。
塀の向こうには、まだタダ見ゾーンながら見事なウェルカム紅葉であります。
有料拝観入口は、イカつい外観ながら小町グッズを多数置いてる、庫裏であります。
で、堂内に入ると、各種展示。
各種展示の先には、超ミニのウェルカム紅葉。
そしてその先には、ライトダウンされた、たまらん伽藍。
たまらん襖絵なめで眺める、たまらん伽藍。
たまらん表玄関の奥から眺める、たまらん薬医門。
たまらん伽藍の中から微かに見える、たまらん能の間。
で、その能の間から見た本堂と、ライトアップされた紅葉。
本堂から見た、能の間と、ちょっとだけライトアップされた大杉苔。
今度は能の間の奥から見た、ライトアップされた本堂と紅葉。
もうちょっと寄って見た、ライトアップされた紅葉。
本堂から見た、たまらん伽藍の隙間から見える、ウェルカム紅葉。
その足元で庭を埋め尽くしている、大杉な大杉苔。
本堂から至近距離で見る、ライトアップされた紅葉。
もっと至近距離で見る、ライトアップされた紅葉。
ちょっと引いて、池と共に堪能する、ライトアップされた紅葉。
実は周りの暗さもいい風味になってると思える、ライトアップされた紅葉。
で、紅葉を見るだけ見た後でまた堪能する、たまらん伽藍のたまらん廊下。
奥書院で狩野派の何ちゃらも見ながら堪能する、たまらん伽藍。
で、庫裏に戻り、 「小町の恋みくじ」 に心引かれながら、帰るのであります。
ウェルカム紅葉はやはり美しく、お見送り紅葉になってくれたのであります。
そして、 「小町まつり」 の幟を横目に見ながら参道へ出て、退寺したのであります。
伽藍の男好みする感じ、伝わったでしょうか。やはり、紅葉が綺麗と思われただけでしょうか。
客は、絶対数が少なめです。
5人程の中高年家族連れ、30代前後のカップル数組、20代前後のカップル1~2組、
単独男が数人、そして絶景プロデューサーみたいな風体で奇声を上げてた気狂い女が1名、以上。
最後の方で、また5~6人の家族連れが1組、そして観光客風の男3人組が来てました。
家族連れは、いずれも地元 or 近隣風。それ以外は概ね、観光風。
そんな随心院の、秋期夜間特別拝観。
好きな人と観たら、より門跡なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、門跡です。
【ひとりに向いてる度】
★★★★
よほどのことがない限り、プレッシャーはない。
量は少ないが、かなりなクオリティの紅葉が見れる。
アクセスの悪さは、我慢しろ。
【条件】
日曜+紅葉盛り過ぎ 18:50~19:50
随心院
京都市山科区小野御霊町35
通常拝観 9:00~16:30
京阪バス 小野下車 徒歩約1分
市営地下鉄 小野駅下車 徒歩約5分
真言宗 大本山 随心院 – 公式
随心院 – Wikipedia