御食事処明日香で、鱧落としと鱧天麩羅定食を楽しんで来ました。もちろん、ひとりで。

2017年8月3日(木)


御食事処明日香で、鱧落としと鱧天麩羅定食を楽しんで来ました。もちろん、ひとりで。

夜に、安く鱧を味わうには、果たして何処へ行って、どうすればいいのか。
夏企画 『ひとりで食べる鱧』 復活に際し、私はこんなミッションを己に課そうと考えました。
理由は、過去の特攻が全て昼特攻だったので。あと、単に安い店もこれまでは避けていたので。
値が張ってこそ、鱧。貧乏なりに、出費による緊張感込みで夏の味覚を楽しんできたわけです。
が、復活後の 『ひとり鱧』 は、予算枠が更に緊縮。緊張感がどうとかなんて、もう言ってられません。
というわけで今回、夜の激安鱧ミッションであります。果たして何処へ行って、どうすればいいのか。
このミッション達成に当たり、まず候補へ挙げるべきなのは、居酒屋ということになるんでしょう。
京都にも、居酒屋はあります。沢山、あります。で、多くの店は夏になれば、鱧メニューを扱います。
値は当然ながらピンキリですが、無理矢理に平均を出せば、落とし単品が1000円強程度でしょうか。
予算枠的に考えれば、悪くありません。が、そもそも私、酒の場が好きじゃないんですよね。
食事をする店で、夜に安く鱧が食いたい。酒ではなく飯がメインの店で、夜に安く鱧が食いたい。
と思い、そんな条件を満たす店を探しました。 「あるわけない」 とも思いながら、探しました。
すると、すぐ見つかりました。それも、普段通る道で、見つかりました。御食事処明日香が、そうです。
こちらの明日香が建つのは、平安神宮参道・神宮道三条通の交差点という、かなりな観光地。
実際、この交差点から平安神宮までは、それこそ観光地テイストな店が林立してるわけですが、
しかし明日香は、リーズナブルなメニューが多い御食事処であり、夏にはリーズナブルに鱧も提供。
3000円どころか、2000円でもお釣りが来る形で鱧が楽しめてしまう、何とも有難い店なのであります。
私は、図書館への道中で何度も前を通りながらも、ここが鱧を出してることを知りませんでした。
が、夜の激安鱧ミッション達成を前にして、目に鱧センサーみたいなもんが宿ったのか何なのか、
店前の看板に堂々掲げられてた 「鱧」 の字に、今年になって初めて気付いた次第です。
というわけで、8月の夜、見慣れた暖簾を新たな気持ちで潜ったのでした。


明日香の最寄駅は、平安神宮と同じく市営地下鉄・東山駅。ここから、歩いて向かいます。
時間は、19時。近辺を歩いてるのは、大半が地元の人。観光タイムが終わってるのもありますけど。
ただ、中国人観光客は、多し。適当に風景を撮ってると、必ずアングルたかりな奴がへばりつくという。
タコ焼き屋さんからも何故か声を掛けられまくったりしてから、三条通を平安神宮方面へ東進開始。


東進して白川の辺まで来ると、川の流れを覆う柳の下で、子ども祭か何かの祭が準備中。
無論、観光地でもある白川。しかし、人が少ない夜+祭の準備の為か、妙に濃い生活感も感じます。
その生活感と、外人がやたらと溜まってるローソン東山三条店・テラス席との間にギャップを感じたり、
蹴上坂を越えんと加速してるかの如き爆走車の残像を横目で見たりしながら、三条通を更に東進。


で、到着しました、御食事処明日香。東山駅から直行したら、徒歩5分くらいでしょうか。
先述通り、店のすぐ先にある交差点を左折すると、神宮道。で、その道を2分ほど進むと、平安神宮
で、その沿道には観光的なる店が多いわけですが、こちらの明日香はいかにも 「御食事処」 な風情。
「そば」 「天ぷら」 と書かれた赤提灯、そしてウェイティングリストとメニュー看板各種が、光ってます。


ウェイティングリストは、消化済み。そしてメニュー看板には、鱧の表記もしっかり、あり。
鱧落としと鱧天麩羅、もちろん両方食べますよ。安いし。落とし550円、京都最安ではないでしょうか。
天麩羅の1000円は、まあ普通。そして、天麩羅定食が1150円なのに落とし定食が1400円なのは、謎。
落とし定食+天麩羅単品を頼むか。または、天麩羅定食+落とし単品を頼むか。迷いながら、中へ。


明日香、店内は、狭め。1階は、3人座れるカウンターがあって、他は全部が座敷ゾーン。
2階にも客席がありますが、私は上がったことがないので、詳細不明。あ、私は無論、カウンターへ。
店員さんは片言気味ながら英語&中国語対応もしてますが、客の半分以上は居酒屋使いな日本人。
で、座ったら、オーダー。頼んだのは当然、合計価格が安くなる方の天麩羅定食+落とし単品です。


で、先にサーブされたのは、鱧天麩羅+白飯+味噌汁+小鉢+香物の、鱧天麩羅定食。


で、続いてサーブされたのが、見ての通りの、鱧落とし。


鱧落とし、味の方はといえば、まあ値段相応なテイスト。


で、天麩羅も値段相応かと思ったら、これが、美味い。


大きめな5ピースの鱧天麩羅、見ためも大きめな作りですが、中に入ってる身も実際、大きめ。
身はフカフカに柔らかく、固めの衣と良いギャップ食感を生んでます。正直、思ってたより、美味い。
小骨の味わいを感じるような類ではなく、高級な味ではないですが、でも何というか、普通に美味い。
普通の食事のおかずとして、非常に美味いというか。これで1150円は、普通の食堂としても、安い。


と、喜んで天婦羅を食ってるうちにも、客はどんどん入店。で、元から狭い店は、大混雑状態。
なので、食ったらすぐ帰ります。勘定は、確か1700円程度。予算の半分強で、済んでしまいましたよ。
退店後、道対岸から店を見ると、 「湯どうふ定食」 の文字あり。こうして見ると、観光感も、あるような。
でも中身は、良い感じの御食事処という。何か、面白いですね。それにしても、鱧天は、美味かった。


と、鱧天の余韻を楽しみながら、帰ります。が、その前に平安神宮にも一応、寄っていきます。
神宮道、開いてる店は、ほとんどなし。真暗な道を歩いてると、真暗な大鳥居に着いてしまいました。
本丸の平安神宮がとっくに閉門+別段イベントもないから当然ですが、しみじみ観光地な風情という。
そんな中、 「いや、ここは文教地区じゃ」 と主張せんばかりに、国立近代美術館何かが屹立中。


更に先に進むと、やはり 「ここは文教地区じゃ」 と主張せんばかりに、二宮尊徳像が勉強中。
でも、像前の図書館は閉まってるので、勉強はせず平安神宮へと進み、閉ざされた門に拝礼します。
で、その閉ざされた門の向こうで、ライブか何かのリハのライトが光ってるのを意味なく眺め続けたり、
図書館周辺で何か絵になるものを探し、でもやはり何も面白いもんがないと思ったりした後、帰還。


で、鱧天が普通に美味かった為、図書館へ出かけた後日に、また明日香に寄ってみました。
昼間に寄ったこの日に頼んだのは、鱧天丼。しかし、乗っかってる鱧天が、前のと全然違うというか。
火が通り過ぎ気味で、前回のジューシーさやフカフカさがなく、鱧そのものも何かが枯れてるというか。
行った時間が悪かったんでしょうか。あるいは、鱧天婦羅と鱧天丼では、天麩羅が違うんでしょうか。


と、疑問を感じたので、またまた別の日の夜、今度は同じ鱧天麩羅定食を食ってみました。
鱧天麩羅定食の構成は、前回食べたのと全く、同じ。で、鱧天の仕様も、衣固め+鱧大きめと、同じ。
で、味は、良い線は行ってますが、前回には達せず。運が良いと、当たりに当たる感じなんでしょうか。
気になるので、とりあえず今後も当たりの鱧天を求め、図書館帰りにでも寄ってみようかと思います。

明日香、2017年8月3日の客層は、中国人単独男と、居酒屋使いな中高年グループ。
先客には中国人グループが、後客には英語を話すけど国籍は不明な男性3人組がいました。
その後も何回か行ってますが、夜の客層はいつも大体こんな感じです。

そんな御食事処明日香の、鱧落としと鱧天麩羅定食。
好きな人と食べたら、より京都の夏の風物詩なんでしょう。
でも、ひとりで食べても、京都の夏の風物詩です。


【ひとりに向いてる度】
★★★
鱧落としは、思い出作りな感じ。
鱧天麩羅は、当たりなら、がっつり美味い。
よっぽど酷い団体と鉢合わせでもしない限り、
アウェー感を感じることは多分ないと思う。

【条件】
平日金曜 19:00~20:00
 

御食事処明日香
京都市東山区西町144
11:00~22:00 月曜定休

市営地下鉄 東山駅下車 徒歩約5分
京都市バス 神宮道下車すぐ

御食事処明日香 – 公式