PHいずみハウスで聖夜を過ごしました。もちろん、ひとりで。
クリスマスイヴはお泊まりでした。もちろん、ひとりで。
メリークリスマス!!
と言われても、孤独+社会的プレッシャーとの精神戦のゴングにしか聞こえない皆様、
いかがお過ごしでしょうか。正気は、保たれてるでしょうか。
恋人も友達もおらず、部屋の壁や自分の心の闇をじっと見つめる、聖夜。
危険です。ひょっとしたら真の意味で神に近づいてるんじゃないかと思えるくらい、危険です。
そんなマッドな気分を紛らわすために、イブの京都ひとりお泊りなんか、いかがでしょう。
もちろん、京都といえどクリスマスは多くの宿が満杯です。が、あるところには部屋、あります。
それが、この日泊まった、PHいずみハウス。
一泊1500円という驚異の宿代が、好き者の間で静かな波紋を呼んでいる宿です。
値段を聞くとドミトリー形式の宿をイメージされそうですが、舐めてもらっちゃ困ります。
こちらのいずみハウス、部屋はすべて完全個室。ネカフェのナイトパックを凌ぐ安さなのに、個室。
「孤独がほしくて旅に出てる」「でも確実に孤独な環境を確保するための金はない」
「ドミトリーで人とのコミュニケーションとか、したくない」「まして外人なんか論外」
という我がままな同志たちが、必ずや興味を持つであろうスペックを持つ宿なのです。
いずみハウスは、泉涌寺の山麓にあります。おそらくそこから「いずみ」の名を頂いたのでしょう。
最寄り駅、京阪&JRの東福寺。京都駅も一応、徒歩圏。
しかし、住宅地のど真ん中に建ってるため、どちらからでもリーチは困難を極めると思われます。
鮮烈なインパクトを与える看板。そしてその奥には、瀟洒なエントランス。
まずは明かりの点いてる事務所にて、清算を済ませます。
料金は、本当に1500円ポッキリでした。オプションやら何やらの加算、一切なし。
サブカル臭漂う若夫婦とかがやってるんだろうと思いきや、運営は完全なるおっちゃんおばちゃん。
領収書を書いてる間、お茶と八橋の接待をうけました。京都どす。雅どす。
推奨銭湯&メシ屋の案内、そして魔界への入り口のような宿泊棟階段口。
おばちゃんいわく、当日の入りは45室ほどあるうち12~3人。
他の客と顔をあわせることはほとんどありませんでしたが、クリスマスの割に結構、入ってるようです。
ヒューマンボディへダイレクトかつエコロジカルなフィードバックを実現させつつ、
ミニマルなホスタビリティを エンタイアリーに確保した、スケルトンルーム。
ないものよりもあるものを意識したほうが、多分精神衛生にいい部屋だと思います。
テレビが、あります。布団が、あります。窓が、あります。驚くべきことに、壁が、あります。
スケルトンルームのドア、そして壁の注意書き。
ドア、下の黒い四画のとこで靴を脱ぎます。土足厳禁。
壁板、正拳一発でマジに穴が開きそうなくらい、エコロジカル・ヒューマンボディ・ダイレクト。
門限なし、出入りは全く放任、自由です。
雅な灯りに照らされた、ラフ&ハードデューティーなトイレ。そして、洗面所。
と、ひと通り宿を見まわったのち、伏見稲荷のクリスマス詣でへ出かけました。
風呂は、そのあと。内風呂は当然なく、案内されてる通りに銭湯へ行くことになります。
いずみハウスが推奨銭湯としていた、東福寺駅近くの「泉湯」は、この日、定休日。
徒歩15分圏内に他の銭湯はなく、七条の「スパッションさくらゆ」へ行くしかありません。
ので、新幹線+在来線を一気に越える大和大路跨線橋を通り、七条を目指します。
不便もいいところですが、でもほら、こんな景色も拝めてちょっと、素敵やん。
1階・福祉施設+2階・成人映画館という建物の前を通り過ぎ、さくらゆへ到着。
京都タワーとの2ショットが可能な場所なのに、駅前とは全く違うディープな空気、充満してます。
中は、地元の爺さん連中で混みまくり。浴室はリニューアルされてて、きれいかつ実用的です。
で、宿へ帰ってきました。プーさん、ただいま。
宿泊棟の空調は、廊下に2機あるのみ。部屋にはなし。寒い。とにかく寒い。寒過ぎる。
おまけにトイレへ行く際は棟の外へ出なければならず、これがまた激寒。
あ、近隣に自販機はないんですが、食堂の冷蔵庫に缶ジュース類があり、棚にはカップ麺もあります。
カンカンに100円を入れてもっていくシステム。でも照明ついてなくて、入るの怖い・・・。
なので、申し訳ないけど、部屋食い+部屋呑み。
クリスマスにケーキ?ほんまもんの京都人はそんなもん、食べませんどす。
八つ橋どす。クリスマスゆうたら、焼きいもとチョコバナナの八つ橋どす。
明石家サンタ見ながら、ジーザス祭りどす。それが京都のおきまりどす。
メリー・クリスマス!!
今夜は思いっきり楽しもう!!もちろん、ひとりで!!!!
今夜は思いっきりハメを外してしまおう!!もちろん、ひとりで!!!!
シャンパンだって、飲んじゃうさ!!!代用品のスパークリングワインだけど、ラッパ飲みさ!!!
近くの大国屋今熊野店で買った398円の安物だから、炭酸水みたいにグビグビと入るのさ!!
で、寝ようとして、寒さで全然寝れず、本気で家に帰ろうかなどと思いながら朝5時ごろまで耐え、
夜明け前に朝一番の清水寺を観に行き、帰ってきて、チェックアウト。
チェックアウトの際のおばあちゃんの対応は丁寧極まり、こちらが恐縮するくらいでした。
時代を反映して、京都にもドミトリー的な宿や安くてユニークな宿が林立する昨今ですが、
ここはおそらく、ブチ抜きでストレンジかつディープな雰囲気を放ってるはずです。
というか、ストレンジかつディープ過ぎるゆえ、興味がある方は早目に行っといた方がいいかも。
逆に、値段だけに魅かれて行くと、若干しんどいかも知れません。
そんないずみハウス。
好きな人と泊まったら、よりいずみなんでしょう。
でも、ひとりで泊まっても、いずみです。
【客層】 (客層表記について) カップル:多分いない 女性グループ:謎 男性グループ:謎 混成グループ:謎 修学旅行生:絶対いない 中高年夫婦:謎 中高年女性グループ:謎 中高年団体 or グループ:謎 単身女性:謎 単身男性:謎 【ひとりに向いてる度】 【条件】 |
PHいずみハウス 京都府京都市東山区泉涌寺東林町15−1 075-551-0140 公式blog PHいずみハウス |