祇園へ都をどりを観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年4月8日(金)

祇園甲部歌舞練場玄関
祇園甲部歌舞練場へ都をどりを観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

都をどり。
言うまでもなく毎年4月に開催される祇園甲部の舞踊公演であり、
多々ある「をどり」の中で、恐らくは最もメジャーな「をどり」であります。
発端は、明治。東京遷都により凋落の危機に立った京都は、産業振興策として博覧会を開催。
都をどりは、その付博覧、いわば余興として生まれました。
明治5年の第1回は新橋小堀の貸し席で、翌年以降に新設された祇園甲部歌舞練場で、毎年開催。
京都の新たな春の風物詩として定着し、現在に至るも高い人気を誇り続けてるというわけです。
もちろんチケットの入手は、その困難さそのものがネタになるくらい、困難。
「男ひとりでフラフラ行って、当日飛び込みで観た」なんて話、あまり聞いたことがありません。
というかそれ以前に、私、「都をどりを観る」という発想さえ、持ったことありません。
しかし、震災を受けて現在の京都は観光客、減少中。特に外人は、激減。
「ひょっとしたら、いけるんじゃないか?」「こんな今だからこそ、行くべきか?」と思い立ち、
普段はせいぜい前を通るだけの歌舞練場へ、正面から客として入ってみたというわけです。

都をどりチケット購入
結論から先に言えば、
2回目公園の開演30分前でしたが、2000円也の弐等当日券を楽々と購入できました。
やっぱり震災の影響?それとも、大体こんなもん?
観光客擦れした受付おばちゃんは、座席を確認して「あと7枚ほど残りがある」とか言ってましたが。
弐等席。弐回目で弐千円で、弐等席。独虚坊、行くわよ。

歌舞練場正面
どうせ中は撮影禁止ですから、をどり開始まで外観を拝んでまわります。
大正弐年竣工の祇園甲部歌舞練場、正面。
弐等の客はここで弐列に整列し、整列したまま入場します。壱等がどうなのかは、知りません・・・。
そういえば入場の際、舞妓はんが震災募金をしてました。100円入れると「おにいさん、おおきに」。

お茶席入り口
お茶席入り口。
茶券付4500円のチケットを手に入れた特等客は、芸妓さんがお点前を披露する茶席が楽しめます。
弐等客は、「追加で500円払うから」といっても、入れません、多分。
桜は貧乏人にもきれいですね。

当日券売り場と桜
当日券売り場と桜。
特に行列ができるわけでもなく、席どうにかならんかと交渉を始める輩もなし。
と、フラフラしてるうちに時間が来たので、歌舞練場の中へ入ります。
パンフレットや土産物の売店が並ぶ前で、整列したまましばし待たされ、順番が来たら、奥へ、奥へ。

埋まってる場内
おおむね埋まってる場内。
「場内撮影禁止やのに撮っとるやないかい」という話ですが、でも開演前はみんな平気で撮影。
係員も「始まりましたら撮影は禁止~」と黙認状態。なので私も撮りました。すんません。
壱等の指定席は普通に椅子ですが、弐等席は三階席最後方の座敷自由席。
定員10人ほどの島スペースが林立し、そこへ前後2列に押し込められて座ります。
体のごつい人は、多分しんどいはずです。が、全体を見晴らすには、案外悪くない席かも。
ただし、係員からもアナウンスされたことですが、左寄りだとお囃子がよく見えません。

桜花訪京都歴史
周囲をがっちりお年寄りに固められた状態で、パンフレット600円という売り子の声を聞くうち、
ついに都をどりの幕が上がりました。
ちなみに今年の演目は、「桜花訪京都歴史(はなにきくみやこのれきし)」 全八景。
京都の桜の名所を歌とをどりで巡るわけですが、今年の法然&親鸞の遠忌に合わせ、
知恩院・西本願寺・東本願寺の三大本山が登場、都をどりで初めて「そろい踏み」が実現します。
出演するのは、初舞台を踏む4人を含む舞妓25人と芸妓の、計106人。

全編ノンストップのをどり
をどりは、1時間、全編ノンストップで魅せます。
終始幕を閉めることなく、舞踊はもちろんセットチェンジから何から、全てがノンストップ。
見てる時は「もっと回転させなあかんという効率への執念か」などと思ってたんですが、
実は明治の最初の頃から近代的な舞台を目指し、このスタイルでやってるんだとか。
1mmもブレない暴走特急のような、とにかく恐ろしく完成された舞台でした。
客席の私語は少ないですが、ないわけでもありません。写メ撮るおばはんも、いなくはありません。

あっという間に終演
で、あっという間に終演。
実はやっぱり回転に執念を燃やしてるのか、トイレで用を足してると係員のおばちゃんが
「いはる?いはる?」とドアを開けて隠れてないか確認しようとするのには閉口しましたが。
帰りの通路でも、パンフレットはしっかり販売。
チケットと一緒に簡単な説明がついたリーフレットはもらえますが、
より内容を理解したければ購入するのもいいかも知れません。

帰り際の門
帰り際の門。ドカーンと乗りつけてる、大型観光バス。
やっぱり本来は、こうやって観るもんなんでしょうね。

客層は、言うまでもなく圧倒的に中高年がメイン。
典型的な観光客も沢山いますが、関西近隣圏な方も多いと感じました。特に中高年女性。
カップル、いなくはないけど非常に少ないです。というか、若者自体が非常に少ない。
花見小路で「舞妓はん舞妓はん」と騒いでそうな若い女性グループも、一切見当たりません。
料金高い?CPに魅力がない?それとも単純に興味が沸かない?
単独女性は、ほんのちょっとだけですが、見かけました。
あ、男一人で来てるのはもちろん私一人だけだったと思いますよ。

そんな都をどり。
好きな人と見れば、よりをどりなんでしょう。
でも、ひとりで観ても、をどりです。

提灯
【客層】 (客層表記について)
カップル:若干
女性グループ:0
男性グループ:0
混成グループ:0
修学旅行生:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:3
中高年団体 or グループ:5(子供もいい歳の親子連れ、多い)
単身女性:若干
単身男性:おれだけ

【ひとりに向いてる度】
★★
色気のプレッシャーは皆無。
しかし、浮くといえば限りなく浮く。

【条件】
金曜 13:30~15:00

都をどり
毎年4月1日~30日開演

祇園甲部歌舞練場
京都府京都市東山区花見小路通四条下ル
京阪祇園四条駅・阪急河原町駅下車徒歩10分

公式サイト 都をどり|祇園甲部歌舞会

wikipedia 都をどり

宣伝ポスター