地主神社のえんむすび祈願さくら祭りへ行ってきました。もちろん、ひとりで。
地主神社のえんむすび祈願さくら祭りへ行ってきました。もちろん、ひとりで。
地主神社。
「じぬしじんじゃ」 ではありません。地主を守護する神社でもありません。
正しい読みは、「じしゅじんじゃ」 。清水寺の舞台を出てすぐのところにある神社です。
現在はそれこそ清水寺のおまけみたいな存在感を放つ地主神社ですが、その歴史は極めて古し。
最初の本殿建造は701年とか言われてますが、境内の石は縄文時代から存在すると言われ、
京都がまだ湖の底だった頃から、何らかの信仰が根付いていた可能性がある社であります。
が、21世紀にここを訪れる人の大半にとって、そんなことは知ったことではありません。
こちら地主神社における最近の売りは、ずばり、縁結び。
それこそ間借りのような狭い境内には、「恋占いの石」 だの 「良縁大黒」 だのといった、
下司い野望を叶えてくれる、もとい、真っ直ぐな想いを受け止めてくれるアイテムが、すし詰め状態。
パワスポ商戦に乗っかるどころか先頭を切るように、多彩過ぎる良縁祈願お守りも発売し、
それら目当てに観光ハイ+恋愛ハイ+パワスポハイの女性たちが、日々群れ集うのであります。
「さくら祭り」 は、そんな地主神社の名物桜 「地主桜」 をフィーチャーしたお祭り。
かの嵯峨天皇も御車を返してまで愛で、謡曲や俳句にも数多く取り上げられた地主桜に、
何故か縁結びを祈願してしまうという、わかるようなわからんようなお祭りであります。
桜シーズン+日曜という悪条件に加え、神徳も超アウェーという悪状況ですが、
とりあえず不審者モード全開で侵入を果たしてきました。
ちょっと遅めの桜シーズン真っ只中、午前10時の清水寺。
その割に人少ないですが、券売所では 「大人26枚」 とか言ってる人がしっかり、いっぱい。
地主神社へ行くには、拝観料300円を払って清水寺へ入り、舞台を通り抜けないといけません。
本当は無料で行けなくもないんですが、キングに敬意を表し、有料で正面突破であります。
特に用事はないけど、通らざるを得ないのでやってきた、清水の舞台。
相変わらずのわかりやすい混雑ぶりですが、それ以上に工事中の奥の院が、実に凄い。
ライトアップ時に見た際もなかなかの工事丸出しぶりでしたが、昼間の絵面はやはり、壮絶です。
いや、感心してる場合ではありません。さくら祭りの開始時間は、ジャスト10時。急がねば。
舞台を脱出して、10時10分、地主神社に到着しました。
鳥居前には、独男を迎撃するかのように躍る 「えんむすびの神」 「良縁祈願」 の文字。
「上等だ!結べるもんなら結んでみろ!!」 と心の中で絶叫しつつ、女子ばかりの中へ突入です。
祭りの事を知らないのか、興味がないのか、この時間でも降りて来る客が多かったりします。
石段を登った先では、主神・大国主命像&因幡の白兎がお出迎え。
その近くには、縄文時代のものと証明されたとかいう 「恋占いの石」 が鎮座してます。
10mほど奥にもうひとつ石があり、そこへ目を閉じてたどり着けるかで、恋の行方を占うもの。
ものは試し。私も、あるかどうか不明の恋がうまく行くかどうか、実験してみましょう。
と思ったら、いきなり大混雑で前へ進めなくなりました。あかんがな。
さくら祭り、既に始まってるようです。本殿前では、宮司さんが祝詞などを奏上中。
上手く写ってませんが、かなり派手なカラーリングの本殿は、清水寺とセットで寛永年間の再建。
やはり上手く写ってませんが、式典にはコスプレ白川女さんも登場、桜を献花してました。
本殿前の拝殿では、地主桜が歌われた謡曲 『田村』 『熊野』 を、奉納中。
天井の龍は、狩野天信によるもので、清水七不思議のひとつでもある 「八方にらみの龍」 。
後の方に 「地主大権現」 という文字がありますが、旧称 「地主権現堂」 絡みのブツでしょうか。
右の写真は、世界中から届いた縁結び御礼THANKS。縁結びに、国境なし。
式典の途中、神職さんから開運何ちゃらをもらいました。
中身は、何かしら有難いものです。有難過ぎて内容を忘れましたが、凄く有難いものです。
狭い境内は無茶苦茶な混雑ですが、祭り目当ての人より、清水寺の客が 「何?」 と寄ってくる感じ。
その客に他の観光客がくっついてなだれこみ、グダグダの混み方になる、みたいな。
祝詞や献桜の後、儀式の場は本殿から地主桜の前へ移ります。
といっても、宮司による地主桜の説明以外は、ほとんど白川女のコスプレ撮影会状態。
なぜ白川女が登場するかといえば、白川女の花使いがこの地主桜を御所へ届けたことに因むとか。
あ、人の壁の奥に見えてる桜、あれが、地主桜です。白川女がいるのは、その下です。
気軽に撮影に応じる、コスプレ白川女さんと地主桜。
嵯峨天皇が美しさゆえ御車を返し、幾多の謡曲・俳句に詠みこまれた地主桜ですが、
明治からは移植がうまく行かず、現在の桜守・佐野藤右衛門氏がやっと植樹・再生に成功してます。
そういえば宮司さん、藤右衛門氏を 「日本一の桜博士」 と持ち上げてました。
そうこうしてるうちに、さくら祭りは、終了。あっさりしたもんです。
混雑がひと段落してきたので、しばし煩悩、もとい 「想い」 があふれる境内をうろつきます。
写ってるのは、一つだけ願いを叶える 「おかげ明神」 と、丑の刻参りの釘跡だらけな 「いのり杉」 。
あ、そういえば言い忘れてましたが、ここ、境内全体が世界遺産です。
瓦に菊の文様が入った、やんごとなき重文・総門を拝むの図。
総門というか、総門と清水寺本堂との通路を見てますが。この通路、現在は進入禁止。
昔は清水寺内陣から権現と参拝したんでしょうか。または本堂の場所 or サイズが違ってたとか。
何にせよ、現代は人形祓いで商売繁盛っぽいので、門は開きそうにありません。
三重塔をバックに、多彩な年齢層の女性たちから触られまくる、祓戸大神。
他にも、水をかけると御利益のある 「水かけ地蔵」 、撫でると御利益のある 「撫で大国」 、
三度打つと良縁に恵まれる銅鑼など、狭い中に御利益&縁結び物件がこれでもかと密集してます。
あ、念のためにもう一度言っておきますが、ここ、境内全体が世界遺産です。
社務所では、見境なく願いを叶えるお守りが大売り出し中&大繁盛中。
「良縁祈願札」 「しあわせ」 「二人の愛」 「キューピッド」 「よろこび」 などの良縁系はもちろん、
「勝守」 「長寿守」 「成績向上守」 「福銭」 「神砂」 といった他の野望も含め、凄まじ過ぎる品揃え。
あ、一応最後にもう一度言っておきますが、ここ、境内全体が世界遺産です。
ちょっと、疲れました。人圧、煩悩、そして商魂に、疲れました。
神社を出てからしばし清水寺の奥の院に佇み、舞台と桜をぼんやり眺めるの図。
いや、正確に言えば、工事現場に併設された仮設展望台で立ち止まり、チラ見の如く見るの図。
もちろんここも背後&周囲は、人だらけ。山を下りるまで、やすらぎはありません。
客層は先述の通り、要するに、清水寺の客層と一緒。
大半が、清水の舞台のついでに寄った人たち。そこから、女性を抽出した感じ。
カップルはもちろん多いですが、他の層も多く、あまりにも境内が狭く密集しあっているため、
却って細かいことが気にならず、プレッシャーもひったくれもない状況ではあります。
ただ、案外居心地いいなんてことは当然なく、徹底的にアウェーであることに違いはありません。
老若男女問わず、概ねどの属性もベタな観光客であり、盛大に観光ハイ。
混成グループに外人が多いのと、女性率が高いこと以外は、本当に清水寺と同じです。
単独は、女性が若いおひとりさま予備軍、男はカメラマン&変な若い奴。
そんな地主神社のさくら祭り。
好きな人と行けば、より縁結びなんでしょう。
でも、ひとりで行っても、縁結びです。
【客層】 (客層表記について) カップル:3 女性グループ:3 男性グループ:若干 混成グループ:2 子供:0 中高年夫婦:若干 中高年女性グループ:1 中高年団体 or グループ:1 単身女性:若干 単身男性:若干 【ひとりに向いてる度】 【条件】 |
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地主神社 京都市東山区清水1丁目317 9:00~17:00 京都市バス 清水道下車 徒歩約15分 えんむすび祈願さくら祭り 縁結び祈願 恋愛成就 京都地主神社 – 公式 地主神社 – Wikipedia |
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