円山公園へ夜桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。
「清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 今宵会う人 みな美しき」 。 by 晶子。
というような、恋愛ハイの多幸感で自我境界線がボケた女から視線を向けられると、
「それでも今、オレのこと見て、やっぱり美しくないとか思っただろ、この糞馬鹿ビッチ女郎」 と、
一瞬で脳内が被害妄想で満たされる同志の皆さん、正気で春を迎えてらっしゃいますか。
今宵は共に、円山公園へ繰り出しましょう。そう、晶子が 「みな美しき」 と詠った、円山公園へです。
桜が満開の、そして酔っ払いも満開の、野外大宴会場と化した桜月夜の円山公園へです。
みたいなことを言うと 「そういう僻み根性に基づいた露悪的な言い方、もういいから」 と、
クールなようでいて実は単に脳のキャパが狭いだけのボンクラさんたちに敬遠されそうですが、
しかし、そもそもこのあたり一帯は、歓楽地としての歴史が長いエリアだったりします。
大正に入ってから、植治こと七代目小川治兵衛により現在の円山公園が整備される以前は、
京都初の巨大洋館ホテルや人工鉱泉浴場・吉水温泉が並ぶ、現代で言うところのレジャーゾーン。
さらにその以前は、現在も残る料亭・左阿弥を含む安養寺の六つの塔頭・六阿弥が、
料亭や貸座敷を盛大に営み、正に坊主丸儲けな享楽世界が繰り広げられてたわけです。
であれば、雅もひったくれもない猥雑なまでの野外大宴会場姿こそが、この地の本来の姿であり、
その姿が、桜の魔力により、春の間だけ蘇ってると考えるのが妥当なのかも知れません。
そう思えば、独男の目にも酔客たちが 「美しき」 に見えてくるはず・・・そう、まるで晶子のように・・・
なんてことは全くなく、出来れば、いやはっきり言えば心底行きたくないんですが、
しかしうちのモットーはメジャーどころの単独正面突破ゆえ、逃げるわけにはいきません。
夜の円山公園、わざわざ桜満開の時期を選び、ひとりで特攻をかけてみました。
途中、あまりに辛いので、恐怖スポットや寺巡りと逃げを打ってますが、
とにかく 「美しき」 夜桜と人間の姿、存分にお楽しみ下さい。
20時半頃の、円山公園・枝垂桜、この期間の名物・薪、そして 「とんこつ」 の幟。
知恩院の辺は若くてアホな観光客が多いのに、ここへ来た途端、地元&近隣テイスト、爆裂。
以降、ポイントよって若干の変化はあるものの、基本的にこのテイストがどこへ行っても続きます。
故に、細かい説明は、省略。写真のみで、現場の桜香+酒臭+鉄板臭を感じて下さい。
桜と、りんごあめと、大量の人間。みな美しき。
桜と、たこ焼きと、大量の人間。 みな美しき。
茶屋ゾーンの桜と、都をどりの雪洞と、大量の人間。 みな美しき。
タダ見ゾーンの桜と、今年から貸し出されるようになったゴザと、大量の人間。 みな美しき。
夜桜に囲まれた、たこ焼き提灯。 みな美しき。
うどんの幟と、茶屋と、大量の人間。 みな美しき。
売店と、甘酒と、枝垂桜と、大量の人間。 みな美しき。
スタッフが門でひとり突っ立ってる、長楽館。みな美しき。
公園奥の枝垂桜と、大量の人間。 みな美しき。
その大量の人間と桜を見守る、坂本龍馬と中岡慎太郎。みな美しき。
下に比べると、何となく客が少ない気がする、いそべのお花見席。みな美しき。
下に比べると、こっちの方が立派な気がする、いそべ近くの枝垂桜。みな美しき。
人間にうんざりし、奥へ逃げる途中に前を通った、タクシーだらけの左阿弥。みな美しき。
タクシー運転手がやたら用を足してる、恐怖スポットのトイレ。みな美しき。
円山公園本来のラスボス・安養寺へ向かう途中にお参りした、弁財天。みな美しき。
この賑わいの元凶、もとい端緒である、安養寺。みな美しき。
本堂へ途中、客呼び込みの奇声を聞きながら眺めた、夜景。みな美しき。
「元凶呼ばわれすんな」 とお怒りなのか、上手く撮らせてくれない、本堂。みな美しき。
本堂を出たら、高度が若干あるためか、桜がまだ蕾気味の近辺。みな美しき。
で、また戻ってきた、何となくDQN感が強い公園の奥の方。みな美しき。
安養寺で聞こえた奇声はここが出元のお化け屋敷と、大量の人間。みな美しき。
少し人が減ったので、ひとりで茶屋へ入ってみた、私。みな美しき。
原価率1割以下と感じさせる味だった、千円のおでん。みな美しき。
もう充分だと思い帰る途中、見かけた、ゴミ。みな美しき。
客は、9割近くが若者です。
地元の学生および若い奴、そして府民や大阪などの近隣系が、参集してる感じ。
学生率が高く、全体の半分は行くんじゃないでしょうか。混成グループに限れば、7割以上かなと。
カップルは、多いことは多いし、それなりに恋愛ハイを垂れ流してはいますが、
それ以外の層による馬鹿騒ぎが喧しいため、さほどプレッシャーを感じることはありません。
また、馬鹿の馬鹿による馬鹿のための馬鹿騒ぎも、救いようのない悪ノリが充満してるわけでもなし。
マナーが良いとは死んでも言えませんが、いわゆるベロンベロン状態の奴はさほどいません。
ちょこちょこいる観光系は、典型的な若いアホ。普通に、程良く御陽気という感じ。
中高年の陰は、極めて薄いです。若めの親子連れと、観光系・地元系がちょこっといるくらい。
ポイントごとの客層の変化としては、通路&ゴザを敷くタダ見ゾーンは上記のまんまの層、
茶屋に座る連中は上記よりもうちょいアダルト、公園の奥へ行くと近隣系DONが増えるという感じ。
単独は、いずれもポイントであっても、極めて少ないです。男女とも、ほぼ皆無。
一眼持って歩いてる奴はいますが、いわゆるカメはほぼいません。
そんな円山公園の、夜桜。
好きな人と見たら、よりみな美しきなんでしょう。
でも、ひとりで見ても、みな美しきです。
【客層】 (客層表記について) カップル:3 女性グループ:1 男性グループ:1 混成グループ:4 子供:0 中高年夫婦:微 中高年女性グループ:微 中高年団体 or グループ:1 単身女性:超微 単身男性:超微 |
【ひとりに向いてる度】 【条件】 |
円山公園
京都市東山区円山町473
終日公開自由
桜ライトアップは3月下旬~4月上旬 開催
京都市バス 祇園下車 徒歩約5分
京阪電車 祇園四条駅下車 徒歩約10分
阪急電車 河原町駅下車 徒歩約13分
円山公園 – Wikipedia
円山公園 – 京都観光Navi