下鴨神社の夏越・矢取神事へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
旧暦。それは、今もなお京都を影で支配し続ける、ルール。
「東京遷都以降の全てを否定したい」 という集合無意識が働いてるのか何なのか、
とにかく新暦導入から100年以上経過した現在も、京都では多くの局面で旧暦が稼働してます。
例えば、正月以上に盛り上がる本来の正月 = 節分。例えば、月送りの8月に営まれる、お盆。
例えば、やはり月送りの8月に堂々と 「七夕」 を名乗り、電飾で集客を目論むイベント 「京の七夕」 。
などなど、この街のタイムテーブルを規定する旧暦の力は、21世紀も衰える様子はありません。
半期に一度のスピリチュアル・デトックスである夏越祓もまた、いくつかの神社は旧暦で実施。
一番有名なのは、祇園祭の〆として7月末日に茅の輪くぐりを行う八坂神社摂社・疫神社でしょうが、
伏見の氏神・御香宮神社、そしてかの世界遺産・下鴨神社も、旧暦タイムで夏越祓を行ってます。
下鴨神社の夏越祓に至っては、より本来の定義に準じた仕様とするためか、立秋前夜に、実施。
さらには、茅の輪のみならず、「裸男」 による水中斎串取り合い大会である 「矢取神事」 も、実施。
下鴨神社の祭神である玉依媛命が、糺の森の中を流れる瀬見の小川で川遊びをしてると、
丹塗矢が流れつき、それを持ち帰った玉依媛命は、上賀茂神社祭神・賀茂別雷命を懐妊したという、
何となくセクシャルなメタファーが散りばめられてる感じがしないでもない同社の神話に因み、
やはり何となくセクシャルな裸男が、何となくセクシャルな矢をめぐり大暴れを演じる、 矢取神事。
この荒行のインパクト&時期が他と隔絶してるため、夏越としての印象はやや希薄ですが、
旧暦の街・京都を代表する神社に相応しいタイミングの夏越祓であることは、間違いないでしょう。
そんな下鴨神社の夏越・矢取神事、暑さは全く立秋してませんが、行ってきました。
一瞬の大騒ぎで 「夏を越す」 その一瞬さ加減、御堪能下さい。
18時頃、京阪・出町柳駅を出て、鴨川を見てから、下鴨神社へ入ったの図。
参道入口も、御覧のように糺の森の中まで来ても、矢取神事開催を示すものは見当たりません。
矢取目当ての人がウジャウジャと神社を目指してるという感じも全然なく、人通りそのものも少なめ。
地元の散歩風の人がちょくちょく本殿へ向かうのを見かける程度で、実に淡々とした雰囲気です。
到着した、楼門。夏越なので、茅の輪、もちろんセッティングされてます。
楼門直付けタイプですが、横に通り道があるため、メビウスくぐりが可能。私もメビウスで、通過。
たまたま氏子さんらしき人がいて、どうくぐったらいいのかわからん人にはくぐり方を説明してました。
あと全く関係ないですが、門前でゴツい外人男2人が外人女をナンパしてました。夏、ですね。
茅の輪が立つ楼門、その左側にある社務所では、神職と裸男がスタンバイ中。
裸男の皆さん、短パン+タンクトップという感じの白装束姿で、特に裸という感じではありません。
「裸男が裸じゃないなんて、それは話が違うじゃないか。おかしいじゃないか。なってないじゃないか」
と、特定の嗜好を持つ方は嘆かれるかも知れませんが、これも時代の流れというやつですよ。
昔の写真、あるいは割と近年の写真でも、裸男、褌一丁だったんですけどね。
「世界遺産に裸男」 というのが、具合悪いんでしょうか。法界寺とか、国宝で裸踊りやってるけど。
とにかく18時半、裸男の皆さんは神職たちに率いられ、本殿へ。お清め等が行われるのであります。
以降、本殿の扉は閉じられ、時折雅楽や祝詞が聞こえるのみ。矢取神事、まだまだのようです。
矢取神事、正しくは矢を取り合うわけではありません。取り合うのは、斎串。
ただ、斎矢とも言われるほど見た目は完全に 「矢」 だし、由緒との絡みもあって、 「矢取神事」 と。
授与所で絶賛発売中の 「矢のお守り」 を見ると、むしろ斎串と呼んだ方がしっくり来る気もしますが。
矢取で取り合う斎串を模したという 「矢のお守り」 、この日限定の授与で、一本500円なり。
「矢のお守り」 をスルーすると、矢取の際に池へ撒かれる人形の当日受付、あり。
半年分の厄を移したこの人形を、バッシャバシャ吹き飛ばしながら、矢取は行われるわけです。
こちらは志納制なので、名前年齢記入+体を撫でて息を吹きかけ、100円と共に奉納しときました。
人形の紙、見るたびに不気味であります。あ、別に奉納しなくても、矢取は無料で観れますよ。
参道や糺の森もそうでしたが、本殿の前もまた、あまり人の姿は見かけません。
今回は平日開催なので、人、あんまり来ないのかな。あるいは、始まる前にどっと来るのかな。
その辺を確かめるため、会場へ向かってみます。会場は、本殿右側、太鼓橋向こうの、御手洗池。
池の方からは、社職が行ってるらしき神事に関する前説あれこれの声、あり。始まってますね。
で、実際に現場へ行ってみたら、18時半の時点でごらんの有様だよ・・・の図。
完全に、人だらけです。池の近くの最前列はもっと混んでて、その先はもう何も見えません。
この時はまだ、チラ見で矢 = 斎串と篝火が視認できましたが、しばらくするとそれも視界からロスト。
人々は、前説を 「心の底からどうでもいい」 という表情で聞きながら、ただ矢取を待ってます。
斎串、全然見えない&撮れなかったので、何年か前の写真を御覧下さい。
やはり、矢というより斎串そのものな、斎串。今回も、同じものが用意されてたはずです、多分。
先ほど私も奉納した人形がこの池へ投入されると同時に、裸男がこの矢を取り合うのが、矢取神事。
当然のように奪い合いとなり、水飛沫と共に人形が飛び散るのが、醍醐味なわけであります。
何も見えないのに混雑の回りでブラブラしてるというのもあまりに暇なので、
本殿の方へまた戻ってみると、19時過ぎ、お清めが終わったのか神職たちが出てきました。
続いて、裸男の皆さんも登場。皆さん、さっきは着ていた白装束の上着を脱ぎ、上半身は裸状態に。
短パン一丁の格好になってます。「裸男」 の伝統×時代の要求の、妥協点という感じでしょうか。
神職&裸男は、一般客立ち入り禁止である御手洗池南側の聖域へ。
池の前に立つ摂社・御手洗社前にて、神職・裸男・参拝者のお清め&祝詞奏上が行われます。
と、思われます。これくらい後へ下がらないと何も見えないので、細かいことは全然わかりませんが。
裸男は、池のほとりの石段で、矢取が始まるのを待機、してると思われます。多分、そうです。
何も見えない間にすっかり暗くなり、御手洗池、余計に何も見えなくなってます。
19:20、「それでは裸男の皆さん、準備をお願いします」 という司会の神職の声で、矢取、開始。
全然見えなかったのでよくわかりませんが、石段に座ってた裸男は立ち上がり、スタンバイ状態へ。
やはり全然見えなかったのでよくわかりませんが、そこへさっきの人形が投げ込まれました。
と同時に、裸男は池へ突入。矢を取り合います。宙を舞う水飛沫と、大量の人形。
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と、ばしゃばしゃ音だけ聞いてる間に、神事は終了。終了です。本当に、終了です。
時間にして、5秒くらいでしょうか。誇張して言ってるのではありません。本当に、5秒くらいです。
司会の神職が 「瞬く間の出来事でございました」 とか言ってましたが、正に、瞬く間の出来事でした。
あっけなく終了が宣言され、神職&裸男はさっそく退場。残るのは、池に浮かぶ大量の人形のみ。
大量に浮かぶ人形は、神職や氏子さんらしき人たちが、手作業で回収&片付け。
客の中には、この光景をのんびり眺めてる人が、結構います。無論、大半はすぐ帰りましたが。
篝火に照らされながら夜の池に浮く大量の人形は、水の美しさもあり、確かになかなかな見物です。
あと全く関係ないですが、ここでも外人男女が互いを紹介しあったりしてました。夏、ですね。
見るべきものが全く見れてませんが、人形回収を眺めるのにも飽き、私も退散します。
記念撮影する親子連れでいっぱいの夏越の茅の輪を、今度はさっと通過だけして、楼門を退出。
というわけで、「夏を越す」 という本来のタイミングで行われた、瞬く間の夏越・矢取神事でありました。
気温に加え、燃えさかる篝火の暑さもあり、秋の気配はやはり全く感じられませんでしたが。
客層は基本、地元民がメインです。
ただし、いわゆるディープという感じではなく、左京区の地元感というか。
30~40前後の中高年が多く、裸男の身内風が若干いる感じ。老人も、多いといえば多し。
観光客は、少なめ。観光丸出し系もいないことはないですが、数は多くありません。
カップル率も、低め。いても、学生風か近所風。女性グループも、同じ傾向です。
外人率は、高し。いわゆる、左京区在住系の外人。観光系の外人も、若干いますが。
単独男は、ほぼ全員、カメラマン。単独女は、あんまり見かけませんでした。
そんな下鴨神社の、夏越・矢取神事。
好きな人と行けば、よりちとせのいのちのぶというなりなんでしょう。
でも、ひとりで行っても、ちとせのいのちのぶというなりです。
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【客層】 (客層表記について) カップル:1 女性グループ:1 男性グループ:0 混成グループ:1(外人ばっかり) 子供:0 中高年夫婦:1 中高年女性グループ:1 中高年団体 or グループ:4 単身女性:若干 単身男性:1 |
【ひとりに向いてる度】 【条件】 |
夏越・矢取神事
毎年立秋前夜 下鴨神社にて開催
下鴨神社
京都市左京区下鴨泉川町59
通常参拝 6:30~17:00
京都市バス 下鴨神社前下車すぐ
京阪電車 出町柳駅下車 徒歩約10分
世界遺産 下鴨神社 – 公式
賀茂御祖神社 – Wikipedia