早朝の嵐山へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2014年4月7日(月)


早朝の嵐山へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年に早朝の嵐山の桜を見に行った際
「朝の嵐山が好きだ。仕事の匂いがするのが好きだ」 みたいなことを、書きました。
かつて丹波より保津川を下りやって来た木材の集積場&湊町として栄えた時代の残り香と、
あちこちの宿や飲食店が放つ何とも言えない昭和テイストな出汁の仕込み香が漂う、朝の嵐山。
そういった 「仕事」 の顔が感じられるタイムだから好きだ、というようなことを書いたわけです。
しかし、言うまでもないですが、嵐山がそもそも貴族の遊興地であったこともまた、確かであります。
そして、この嵐山の春を彩る桜が、雅なルーツを持つものであることも、確かであります。
この地に亀山御殿を築造した後嵯峨上皇が、吉野の桜を移植したことに始まるという、嵐山の桜。
本家である吉野には比ぶべくも無いですが、程良くコンパクトにまとまったそのサイズ感と、
それでも京都の街中と比べたら圧倒的なスケール感&スペクタクル感を誇りまくるそのビジュアルは、
貴族の庭的な雅さ&ダイナミズムを併せ持つ 「王朝時代から続く観光地」 としての面目躍如、
嵐山の 「仕事」 あるいは 「本業」 の魅力が、明確に具現化されたものと言えるのではないでしょうか。
そんな嵐山の 「本業」 の匂いを改めて吸い込んでみたくなった、というのは半分くらい嘘で、
残り半分は単に思いつき一発ではありますが、とにかくまた嵐山朝行をやってみることにしました。
前回は右岸をウロウロしましたが、今回は中之島から左岸、そして亀山の展望台へ行く感じ。
うちのサイトの趣旨からすると、人の少ない時間帯に出かけるというのは反則に当たるわけですが、
「本業」 の顔を見るなら、こちらも 「人間観察が趣味です」 みたいな冷やかし根性は捨て、
「私だけの嵐山を見つける」 とか言いそうな 「本業」 阿呆観光客の如き気持ちで赴くべきと考え、
でもそんな気持ちでガチ混雑時に出かけるのはガチで辛いので、朝に行ったわけです。
かくも情けない独男に、嵐山は 「本業」 の桜を見せてくれるでしょうか。


で、午前8時の阪急嵐山駅。空いてます。人が捌けた後なのではなく、単純に空いてます。
さすが、早朝。いや、2011年は6時半からうろつき出したことを考えると、今回は若干遅めですが。
とはいえ観光客は、やはり少なめ。平日ゆえ阪急本線は普通に混んでましたが、嵐山線はガラガラ。
ホーム外に咲いてる桜を勝手にウェルカム桜と思いながら、やっぱり空いてる改札を抜け、外へ。


で、中之島へ行くと、いきなり満開の桜。


振り向いても、満開の桜。


人の少ない公園を歩き出しても、満開の桜。


川にかかるのも、満開の桜。


渡月橋を遮るように川岸で咲くのも、満開の桜。


近くば寄って目にも見よの、満開の桜。


渡月橋近くの売店を遮るかのように、満開の桜。


既に稼働状態へ入りかけてる遊覧船を隠すのも、満開の桜。


近くば寄って目にも見よアゲインの、満開の桜。


そして、生活道路としての朝の顔を見せる、渡月橋。


渡月橋を渡った先でも、遊覧船に覆おうとする、満開の桜。


川の向こうの山の中でも、満開の桜。


川の中では、東の空を見つめる、何らかの鳥。


亀山の展望台へよっこいしょと上がれば、満開の絶景。


山の中の遠からんものを望遠で寄って目にも見た、満開の桜。


遠からんものを望遠で寄って目にも見たアゲインの、満開の桜。


川の中の遠からんものを望遠で寄って目にも見た、何らかの船。


遠からんものを遠いままで目にも見た、満開の絶景。


遠からんものを遠いままで目にも見たアゲインの、満開の絶景。


で、立ち去り際、遠からんものを望遠でそこそこ寄って目にも見た、大悲閣。


もうちょっと奥へ行ってみようと思いぶつかった、行き止まり。


引き返して展望台を通った際に遭遇した、混雑。


亀山の公園方面へ歩いてると視界を遮った、何らかの花。


公園の道の向こうで、人を誘うかのように咲く、満開の桜。


公園を埋め尽くす勢いで咲く満開の桜を借景とした、電柱。


そんな電柱に、納得か不服か不明な表情を向ける、角倉了以像。


公園を出て川岸に戻ると、輝く水面を借景とした、満開の桜。


川に負けじと借景としての能力を見せる山を借景とした、満開の桜。


で、嵐電嵐山駅前まで来ると、完全に普通の嵐山になってましたとさ。
「本業」 タイムの 「本業」 客を相手にした 「本業」 の嵐山を見て、今回の早朝特攻、撤退です。

前回より若干遅めの嵐山早朝特攻、客層はまあまあという感じ。
当然というか何というか、時間が経つに連れて、層は普段通りの嵐山なものになります。
すなわち、阿呆の若者+阿呆の中国人、そしてツアー中高年の団体だらけという。
8時の時点では全体の5%程度だったこの手の連中が、9時には30%ぐらいまで増えてました。
そこへ至るまでの時間に散見できる層も、基本的には似たような観光客ではありますが、
熱心に早起きしてる分、マナーなどはマシな輩が多く、ごく普通の観光客という感じ。
時間による変化と同様、場所が奥の方になればなるほど阿呆の数は減り、
展望台あたりは地元の人とハイキングみたいな中高年がちょこちょこいるくらいになります。
カップルは、いなくはないですが、プレッシャーを感じるほどの数ではありません。
単独は、カメの男がメイン。老若は問わず、女性の姿はほとんどなし。

そんな早朝の嵐山の桜。
好きな人と歩けば、より嵐山なんでしょう。
でも、ひとりで歩いても、嵐山です。

早朝の嵐山へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 (2011)

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:若干
男性グループ:微
混成グループ:微
子供:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:4
単身女性:微
単身男性:1

【ひとりに向いてる度】
★★★★
プレッシャー各種は、ほとんど感じない。
本当の早朝ほど研ぎ澄まされた感じはないが、
ある程度の人がいないと嵐山らしくないとも言えるので、
ひとり歩きにはこれくらいの時間が案外良いかも知れない。
なるべく9時までに切り上げるのが、おすすめ。

【条件】
平日月曜+桜満開 8:20~10:30


嵐山
京都府京都市右京区嵯峨
終日うろつき可能

阪急嵐山駅下車 徒歩約8分
嵐電嵐山駅下車 徒歩約5分
JR嵯峨野線嵯峨嵐山駅下車 徒歩約15分
 

嵐山公園・嵐山東公園 – 京都府

京都嵐山保勝会 – 公式

嵐山 – Wikipedia