京都・東山花灯路2016へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
京都・東山花灯路2016へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
当サイトへの感想として、 「楽しそう」 という声を頂くことが、稀ながらあります。
京都に於ける超メジャースポットへの単独正面突破を趣旨とする、我が 『ひとりでうろつく京都』 。
ベッタベタのスポットへひとりで特攻し、ベッタベタの客に塗れることで、己が魂をズタズタに傷つけ、
その魂の傷から流れ出る血を以て現場のリアルを記すというのが、サイトの基本コンセプトです。
特攻により生じる苦痛を、ある種の 「ヤラレ芸」 として面白がってもらおうと思ってるわけでは全くなく、
また、自虐の裏返したるナルシズム or エリーティズムで共感を呼ぼうと思ってるわけでも全くなく、
苦痛を正面から受け止め、その苦痛を体感的かつ直接的に伝えることを考えて、更新を続けてます。
が、他人から見ると、崇高なる信念に基づくこの特攻&表現が、何か、楽しそうに見えるそうです。
花灯路の記事で 「震災を忘れていいのか」 的なことを書いてても、何か、楽しそうに見えるそうです。
そういう風に見えるということは、つまり、私はこの荒行を心のどこかで楽しんでるんでしょう。
文句を垂れながらもその一方で、こっそりと、ひっそりと、混雑や賑わいを楽しんでるんでしょう。
卑猥です。卑猥であることは必ずしも悪ではありませんが、独男が卑猥であることは多分、悪です。
そして、こういった卑猥さは、少なくともこのサイトに於いて私が求めているものではありません。
足りてない。苦痛が、足りてない。ディープな苦痛ではなく、凡庸にして浅薄な苦痛が、足りてない。
卑猥な享楽を許す隙などない、酸素自体が毒と化したような逃げ場なき苦痛が、足りてない。
そう考えた私は、2016年度の東山花灯路特攻を、徹底的に混雑する日を選んで決行してみました。
桜シーズン直前&紅葉シーズン直後という閑散期に、ベッタベタスポットである東山&嵐山にて、
電飾をビカビカ光らせて夜間の集客を図り、ひいては宿泊客増加も狙って開催される、京都花灯路。
その客層は、光るもんがあれば脊髄反射で近付き群がるような、これまたベッタベタなものであり、
当サイトは崇高なる趣旨を示せる絶好の機会として、東山花灯路については特攻を毎年かけてます。
特攻開始直後に震災があった為、個人的には電気について色々感慨が湧くイベントなんですが、
今回は、 「悪天が続いた会期の最終日目前+連休の中日+日曜」 を決行日としてわざわざ選び、
手前勝手な感慨や嘆息を許す隙などない、凡庸にして浅薄な苦痛の中へ飛び込んだわけです。
逃げ場なき混雑で感じた私の苦痛は、体感的かつ直接的に伝わるでしょうか。
というわけで、決死の覚悟を胸に秘めつつやってきた、ライトアップ開始直後の八坂の塔前。
例年の特攻では、ダメージを少しでも軽減すべく、混雑がマシな北側から進撃を開始してましたが、
徹底的に混雑に塗れようと決めた今回は、超弩級スポットが林立する南側から攻めることにしました。
実際、進む毎に 「人多い」 という声は増加。上等です。八坂通経由で、混雑を拝んでいきましょう。
で、八坂通を進むと本当に、大混雑。奥丹清水前がスタックする、大混雑。
で、産寧坂へ入るともっと、大混雑。烏合の衆が雅なる牛歩を繰り広げる、大混雑。
沿道の店は結構流行ってて、店内も割と大混雑。店外もやっぱり、大混雑。
転ぶと死ぬ恐れもある為か、ここは例年並な混雑の産寧坂の坂を、下から眺める。
でもスマホで写真撮る輩が増え、牛歩度は増した気がする産寧坂の坂を、上から眺める。
坂を登り切った先で滔々と流れてた、清水寺へ向かい遡上する人間の川を眺める。
川へ飛び込んで清水寺前まで遡上し、人間の海の中からライトアップ&ビームを眺める。
人間の海から人間の川へ戻り、某猫を横目に川下りを開始するの図。
坂が緩めな為か何なのか、二年坂は死をも恐れぬ大混雑になってたの図。
で、ねねの道入口に着いたら、車バンバカ&人間ウジャウジャで、もう帰りたいの図。
で、ねねの道に入ったら、人間ウジャウジャ&人間ウジャウジャで、心底もう帰りたいの図。
それでも頑張って、高台寺駐車場から高台寺公園の 「京」 を見ること、しばし。
八坂の塔を借景に、高台寺公園の手前で火の用心・お囃子組を見送ること、しばし。
人間だらけのねねの道を北上し、人間だらけの中で擦れ違った、狐の嫁入り。
人間だらけのねねの道を更に北上し、人間だらけの彼方に見た、光る祇園閣。
更に更に北上した先で、芸大アートが並んでる大谷祖廟・参道を眺めること、しばし。
何故か小さい子が釘付けになってた謎アートを、何故か熟視すること、しばし。
フードがチョリソになってたけどホットワイン販売は健在の長楽館では、光る壁を見るの図。
円山公園では、ゆるキャラが時折2Dの書割に化けてた撮影会も、チラ見するの図。
今回はやや小ぶりなブツが多いものの、粟田大燈呂もしっかりと拝むの図。
大燈呂、人気は狐&猿が高く、こちらの怖い人はまあまあだったの図。
八坂神社では例年通り舞妓舞踊奉納が行われ、今回は上七軒の舞をありがたく、観る。
上七軒は渋いけど大らかさとナチュラルさもある、とか適当なことを思いつつ、観る。
円山公園では、やはり例年通り 「立ち止まらないで」 が連呼される幽玄の川も、眺める。
こちらも例年通りの現在生け花展が、例年通りでない攻め方をしてるのも、眺める。
で、知恩院。今回は、若冲生誕300周年のサンドアートをやってる、知恩院。
で、若冲鶏。三門前に於けるスマホとビニール傘との出会い的な、砂製の若冲鶏。
で、大楠の庭。地雷原がなくなり、マイトが枯れ木を照らしてた、大楠の庭。
で、恋とうろう。大楠の庭、文人何ちゃらも消滅してて、その代わりの如くあった、恋とうろう。
これを見た瞬間、蓄積された疲労と徒労が、何か、爆発しました。で、帰りました。以上であります。
逃げ場なき混雑で私が感じた、凡庸にして浅薄な苦痛は、体感的かつ直接的に伝わったでしょうか。
あるいは今回もまた、こっそりと、そしてひっそりと、卑猥な享楽に耽ってるだけに見えたでしょうか。
客層は、基本的に例年通りです。
「これが京都だ」 とか言ってる、体も頭も若々しい連中が、大挙して集まってます。
カップルは、無論多し。大半が若年層であり、学生&観光が5割で、残りは地元系な感じ。
女性グループ&男性グループも、これと似た感じ。混成グループは、大半が中国人。
中高年はもう少し観光率が上がりますが、突出して観光っぽいのは着物率が高い中高年女性で、
グループや家族づれなどはやはり観光系と地元系が5割ずついるように感じました。
というか、例年より多い分の客の全部が近隣系に見えるという。で、烏合度がより上がってるという。
なので、混雑度こそ凄かったものの、観光ハイや恋愛ハイは正直、以前ほど感じません。
単にこっちが慣れ過ぎて、不感症になってるだけかも知れませんけど。
そんな、京都・東山花灯路2016。
好きな人と歩いたら、より集客策なんでしょう。
でも、ひとりで歩いても、集客策です。
京都・東山花灯路2011へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
京都・東山花灯路2012へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
東山花灯路2013と清水寺特別夜間拝観へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
京都・東山花灯路2014へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
京都・東山花灯路2015へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
【客層】 (客層表記について) カップル 3 女性グループ 1 男性グループ 若干 混成グループ 1 子供 0 中高年カップル 1 中高年女性グループ 1 中高年その他 3 単独女性 超微 単独男性 微 |
【ひとりに向いてる度】 ★ 地獄ぶりは、しっかりと健在。 ただし、2015年以上に、限りなく★★に近かった。 が、それでもやはり、あくまで地獄は地獄。 地元系は、案外と和めるテイストになってきたように感じるが、 他所から来た人にはそれが余計に獄かもしれない。 【条件】 |
京都・花灯路
「東山花灯路」 を毎年3月中旬に、
「嵐山花灯路」 を毎年12月上旬に、開催
京都・花灯路 – 公式
京都・東山花灯路 – 京都・花灯路