笠置夏まつり花火大会へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2018年8月4日(土)


笠置夏まつり花火大会へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

笠置町。京都府で高齢化や人口減の話になると、必ずその名が上がる自治体です。
巨岩が並ぶ霊地であり、元弘の乱で後醍醐帝行幸した、笠置山。その笠置山を擁する、笠置。
擁するというか、町域の8割がこの山地などで占められるため、此地の主産業は無論、林業でした。
町を東西に流れる木津川上流を物流ルートとして、古くより奈良・京都へ木材を供給しており、
奈良・東大寺興福寺杣山や、また我がホーム・石清水八幡宮の神領&杣があった歴史もあり。
しかしそれゆえ、林業が衰退した現代に入ると、他に産業がないこの町の人口は減少し始めます。
やむなく観光に活路を見出した笠置町は、元弘の乱ゆかりの観光地として笠置山をアピールし、
後醍醐持ち上げ+足利逆賊の戦前では結構盛り上がりましたが、人民主権の戦後に入ると下火化。
高度成長期以降は、レジャーの多様化+街から半端に遠いことが災いして、さらに人気が下降。
現在は、 「出生数ゼロ」 「高齢化率50%」 などの話題で、京都新聞を賑わす地となってるわけです。
では、笠置町がひたすら過疎全開でゴーストタウンな町かといえば、そうでもありません。
傍目には血税を盗まれてるようにしか見えないですが、移住・定住推進の情宣なども、色々と展開。
また、キャンプ場カヌーといった木津川を活かしたレジャーは、凄く盛ん。イベントも、色々開催。
私は出かける度、割と賑やかな所に見えました。同様の印象を持つ方も、多いのではないでしょうか。
町が山間で狭いため、すぐ人口密度が上がるだけとも言えますが、賑やかに見えるんですよね。
もちろんその印象は、定住者の数とは全然関係がない話ですが、とにかく頑張ってる町であります。
そんな笠置町の最大のイベントともいえるのが、毎年8月上旬に行われる夏まつりの花火大会です。
木津川で1800発を打ち上げるこの花火、 「8割が山地」 という場所のため、音が反響しまくり。
規模こそやや小ぶりではあるものの、他所では体感不能の爆音サラウンド状態を現出させてます。
また、そもそも狭い+人少ない所へ客が密集するため、混雑が超々激化するのも、ある種の味。
そんな笠置の花火、混雑が超々々々激化した関西線に乗って、出向いてみました。


京都方面から笠置へ向かう場合、通常はJR奈良線で木津駅まで行き、関西線に乗り換えます。
で、次の加茂駅で、単行 or 小編成の気動車に乗り換え。今日は花火だから、増結するでしょうけど。
とか思いながら、ほぼ満員の大和路快速で18時半の加茂駅へ着くと、隣にいたのは3両の亀山行き。
客は、 「すし詰め」 という言葉を絵に描いたような状態で、車内へ詰まっていきます。もう帰りたい。


後から後から人が詰まり、ドアさえ閉まらなくなった252Dは、散々遅延した後に出発。帰りたい。
何分遅れたか記したいところですが、時間を確認する程度の身の自由さえなかったので、無理です。
あと、外は40度近い猛暑日でしたが、車内はもっと暑かったので、判断能力とかも色々と、無理です。
普段は、左窓に木津川上流の美観が展開される、関西線。この日は無論、人の頭しか見えません。


赤の他人の体温を感じながら、列車は何とか、笠置駅へ到着。しかし、着いた駅は駅で、地獄。
激レア級の狭い木製跨線橋では、大量の人民と共に押し込まれてレミングの行進状態となり、地獄。
ところてんのように跨線橋から吐き出された後も、駅舎は帰りの切符購入で大混雑になってて、地獄。
駅舎を出ても、狭い駅前には露店が大量出店し、そこにまた地元の餓鬼が大量集結してて、地獄。


パチンコ玉みたいにぶつかって来る餓鬼を何度も交わしながら、まず駅からの退避を試みます。
露店ゾーンを抜け、その先の見物ゾーンらしき辺を抜けると、やっと見晴らしが利くようになりました。
で、その途端、人は激減。やはり、寂れてる町です。風情はありますけど。あと、道路標識が面白い。
伊賀×柳生。近いんですよ、笠置。山に囲まれ都に割と近い地は、忍びと縁が深まるんでしょうか。


時間は、19時。始まるのは20時なので、もう少しうろつきます。打ち上げ場所への道も見たり。
打ち上げ場所は、この小川と木津川の合流点から下流側に広がる、キャンプ場の辺。だそうですよ。
店は、全然なし。たまに、クラフトビール売ってるくらい。住民の方も、儲けるより楽しむ感じでしょうか。
見物用の椅子を置いてる家も、あったり。また、特等席っぽい石段の上では、猫が席取りをしてたり。


とはいえ他所者としては、楽しみを金で買いたいところ。なので、観光拠点たる笠置寺方面へ。
で、入口に着きましたが、入口から始まる坂の傾斜を見て、即座に入山、中止。次、何処行こうかな。
そういえば少し前、箱物丸出しな笠置温泉の運営が変わったとか言ってました。ので、行ってみます。
で、到着した、笠置温泉。以前通り、箱物丸出しで屹立してました。で、気が乗らず、引き返しました。


時間はまだあるので、今度は打ち上げ会場・木津川を眺めるべく、笠置大橋へ行ってみます。
原付珍走団が珍走する横を通り、橋へ行き、上から日暮の木津川を拝見。そう、これが木津川です。
山から刈られた木材は、この川で奈良や京都へ運ばれたわけですね。河川敷には、津もあったとか。
で、その津の辺は現在、笠置最大の名物・キャンプ場。土曜+花火ゆえ、しっかりテン張ってますね。


あ、花火を橋上から観るのは無論、禁止です。傍では、もうすぐ封鎖すべく警備が張り付き中。
すっかり暗くなりました。私もぼちぼち、花火がよく観えそうなあのキャンプ場の辺へと、向かいます。
で、また人が少ない町を、移動。花火へ向かうらしき人、いることはいますが、少なめといえば少なめ。
地元の方は、やはり家から観るんでしょうか。あるいは、もう川へ行って、席取りしてるんでしょうか。


とか思いながら進むと、突如人間の渦が現れ、そのままレミング状態で到着した、キャンプ場。
レミング中、 「お金かかるんやったらやめよな」 という親子の声を聞きましたが、入場は無料みたい。
リア充ワナビーが群れて騒ぐといった地獄の沙汰は、特になし。大半はテントの中にいて、静かです。
が、それゆえに、テントの外には明かりがなく、周囲は真っ暗。何処にいるのか、全然わかりません。


見物場所を求めて真っ暗な中をウロウロしてると、大量の人民が座り込んでる場所に出ました。
観覧スペース、でしょうか。地元の皆さんは、やはり先に席取りしてたようですね。空きは、全くなし。
川と少し離れた場所に思えましたが、ここの花火、川向こうでなく立入禁止柵の先で上げるんだとか。
言われてみれば、対岸沿いにはR163が走ってますし。勉強になります。が、見物場所は、全くなし。


延々とあちこちを徘徊する内、花火開始時間は近付き、開始のアナウンスも聞こえてきます。
結局、キャンプ場入口近くの警備詰所みたいな所に出て来てしまったので、そこでの立ち観を決意。
突っ立つ真横で、何処の誰とも知らぬ餓鬼共が玩具の銃と剣でじゃれ始めた頃、花火、始まりました。
ど━━ん、バフォオ━━ン。どど━━ん、バフォオンバフォオ━━ン。ど━━ん、バフォオ━━━ン。


どどどどどどどどど━━ん、バフォバフォバフォバフォバフォバフォバフォバフォバフォオ━━━ン。


ど━━━━━━━━━━━━━━━━ん、バフォオ━━━━━━━━━━━━━━━━━ン。


どどど━━ん、バフォバフォオンバフォオ━━ン。どどど━━ん、バフォバフォオンバフォオ━━ン。


ば━━━━━━━━━━━━━━━━ん、バフォア━━━━━━━━━━━━━━━━━ン。


どばばどばばど━━━━━ん、バフォブファファファファボファフォオ━━━━━━━━━━━ン。


どばばどばばどばど━━━ん、バフォブファファファファファファボファフォオ━━━━━━━━ン。


ば━━━━━━━━━━━━━━ボファボファボファボファボファ━━━━━━━━━━━━ン。


で、約40分の花火は終了。正直、ミニ花火大会的なのを想像してましたが、全然違いましたね。
花火、打点が結構、高い。なので、クリアで観やすい。数とサイズこそ小規模ながら、満足度は高し。
あと何より、音。山からのディレイ音が 「バフォオン」 という謎な音に化けて、背後から響いて来ます。
近くの餓鬼は、 「これ何の音」 と言ってました。楽しかったです。でも、ここからの帰りは、地獄です。


当然のように、ある程度人が減るのを待ってから河川敷を出て、真っ直ぐへと向かいます。
21時をかなり回ってから向かったんですが、しかし駅付近は人間で溢れ、近付くごとに密度が上昇。
駅前は、露店の客と列車を待つ客で、完全に埋まってました。JR、ホームの入場制限までしてるとか。
実数は恐らく大したことないですが、とにかくキャパが破裂気味という。12両の新快速、来ないかな。


やむなく早期帰宅は諦めて、またもや町をうろつくことにしました。で、温泉まで、何となく散歩。
温泉は、もう終了っぽい感じ。駐車場から出る車は、気の毒に出発制限中。道、人で埋まってますし。
暇が潰せないので駅まで戻って来ると、列車待ち客は減ってきたものの、まだ乗れそうな気配はなし。
露店は大半が店仕舞を始め、DQN or DQN上がりが腹から響く声で騒ぐようになりました。帰りたい。


帰りたい帰りたいと思って待ってると、駅舎の客が消失。ホーム入場制限、解除されたようです。
ので私も、ホームへ。跨線橋を抜けた先では、人間の塊がカマボコみたいにホームへ乗ってました。
何とかホーム端へ逃げ、列車到着を待ちます。それにしても笠置駅、ホーム幅は短いけど長は長い。
昔は幹線だったため、8両は本当に停まれるとか。となれば、次に来る265Dは8両で決まりでしょう。


8両でなければ、おかしい。人道的に、おかしい。と思った265Dは、余裕の2両編成。乗ります。
赤の他人の体温を感じる車内では、祭りハイの男女達が揺れに合わせて体をぶつけ、騒ぎ狂ったり。
そんな肉地獄を約8分耐えた後、列車は加茂駅に到着。加茂駅では、8両編成の快速が待ってました。
265Dの客はほぼ乗り換えましたが、それでも私が乗った車両には、ほぼ私しか乗ってませんでした。

笠置夏まつり花火大会、客層は徹底的に地元メインです。
散々書いてる通り、列車でくる客も非常に多いですが、こちらもほぼすべてが近隣系。
観光的な雰囲気は果てしなくないし、観光的な雰囲気の輩を見かけることもほぼありません。
地元系の層の内訳としては、基本的には烏合ですが、小学生から中学生くらいまでの子供が多し。
そこから上は、30歳以上の夫婦・家族連れが増え、20歳台は少なめという、よくある感じ。
家族連れは、小さい子連れが多いですが、ヤンキー集団やその予備軍という感じは、少なめ。
カップルも、多いことは多いですが、やはり地元近隣系のテイストであり、消費者丸出し感は薄め。
単独は、観光でもカメでもない変な奴が、たまにいるくらい。カメ自体も、割と少なめです。

そんな笠置夏まつり花火大会の、花火。
好きな人と観たら、より笠置なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、笠置です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:若干
男性グループ:若干
混成グループ:若干
子供:2
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:微
中高年団体 or グループ:3
単身女性:超微
単身男性:微

【ひとりに向いてる度】
★★
花火そのものは、なかなかに楽しめる。
小ぢんまりとしながらも、よく観れて、満足度は高い。
しかしアクセスが、もはや面白いくらいに地獄的。
花火の良さでペイできる地獄かどうかは、その人次第。

【条件】
土曜 18:40~22:00


 
 
 
 
 
 
笠置夏まつり花火大会
毎年8月 第1土曜 木津川河川敷にて開催

JR関西本線 笠置駅下車 徒歩約6分
 

笠置夏まつり – 笠置町商工会